「砂の女/安部公房」を読んだ
先日実家に帰ったとき、大昔読んだ「
砂の女/安部公房」(新潮文庫)を持ち帰り、もう一度久しぶりに読んでみた。
あらすじは、都会に住む平凡な中学教師である主人公は、日常わずらわしさから逃れるために、砂丘のある集落に昆虫採集に出かけた。迷い込んで泊ることになったのは、砂の穴の中の家。そこには、女性が一人暮しており、毎日砂をかきださなければ砂の中にうずもれてしまう生活をしている。唯一の外界とのつながる縄ばしごが取り払われてしまい、男は砂を運びあげる労働力として連れこまれたのだと知る。ありとあらゆる可能性にかけて、脱出をくりかえすシーンなど、読みやすくサスペンス小説・推理小説のようだった。
監禁状態と蟻地獄の中、日常の反復を繰り返す。砂の中だろうと外だろうと、結局は同じようなもの。都市に埋もれた孤独な男を描いた現代の寓話。結構今読んでも面白かった。
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