「火の鳥(3)-ヤマト・異形編」「火の鳥(4)-鳳凰編」を読んだ
最近本屋に行ったら、一緒に買って読んでいる手塚治虫作「
火の鳥」。今回読んだのは、「火の鳥(3)-ヤマト・異形編」と「
火の鳥(4)-鳳凰編」。まずは1968年の作品である「ヤマト編」。奈良県にある石舞台古墳をテーマに、王の殉死のいけにえとなる人々を救うために不老不死になる火の鳥の生き血を手に入れることを目的に九州クマソ征伐に行った王子オグナの物語。埋められた人々が地中から歌い続けるシーンは、大昔読んで「ヤマト編」以来、自分の中で忘れられないシーンになっている。
続いて1981年の作品である「異形編」。生命を軽んじた罰として、永遠に生き物たちの命を救う宿命を背負わされた人間の姿を描いたもの。永遠に死ぬことのできないことの厳しさ・悲しさが伝わってくる。
そして、1969年の作品である「鳳凰編」。生まれてすぐに片目と片腕を失い、荒んだ生き方をしていた男が、やがて仏の道につかえ、貧しさにあえぐ人々の心の救済を始めるという内容。生きることの意味や輪廻転生とは何かが真摯に描かれている。自分は、大昔「火の鳥」を読んでいて、この「鳳凰編」に一番衝撃を受けた。片腕をさらに切られる我王、即身仏になった良弁上人など息をのむシーンが連発。全13作を読むのは大変だけど、この「鳳凰編」はお薦めですね。
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