「ラッシュライフ/伊坂幸太郎」を読んだ
出張の飛行機で何か読もうと本屋をぷらぷらしてるとき、目にとまって読んでみた
「ラッシュライフ/伊坂幸太郎」
(新潮文庫)を。
これは5人の主人公の5つの物語。で、最後に交錯して、そして離れていく。で、5つの物語は以下。
・拝金主義者の画商の戸田と、彼に振り回される若手女性画家の志奈子。
・泥棒を生業とする男 黒崎。彼は被害者の心の軽減のために盗んだもののリストを残す。
・新興宗教の教祖にあこがれ、父親に自殺された青年 河原崎と彼の絵の才能を見出した指導役の塚本。
・不倫中の女性カウンセラー京子とサッカー選手 青山。それぞれの配偶者の殺害をもくろむ。
・リストラされ、家族にも見放された失業者 豊田。彼は野良犬と銃を手に入れる。
この5つの物語が、バラバラに語られて、後半に一つにつながって、そして離れて、広がってく。
ほんと不思議な人物とくだらなくてウィットに富んだ会話とこの先どうなるかがわからない展開。まるで、Tarantino監督の"Pulp
Fiction"のような面白さ。死体の解体とか不倫とか新興宗教とかオヤジ狩りとか動物虐待とか銀行襲撃とか、結構、
陰湿で残虐なエピソードにフックさせられながらも、描かれてる人物がみんな人間くさくて、悩んでて、一生懸命生きてる。
そんな暖かさが伝わりました。この本、お薦めです。
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