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Wednesday, October 03, 2007

「コインロッカー・ベイビーズ/村上龍」を読んだ

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border="0" />  最近読んでいなかった "http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E9%BE%8D">村上龍氏
なんか無性に読みたくなって、人生3回目の「コインロッカー・ベイビーズ」< "http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1831585">上巻/下巻>(講談社文庫)を読んだ。


  コインロッカーに捨てられて、生き残った"キク"と"ハシ"。横浜の乳児院で育ち、長崎の小さな島に養子にやられる。
島の廃墟で遊び、"キク"は棒高跳び選手になり、"ハシ"は「小さいころに狭い部屋で聴かされた音」を思い出し、
その音が何かを探すために耳を研ぎ澄まし、歌手になる。

  ともかくこの小説、"システム"に対抗し、苛立ち、破壊していくPunkな小説。しかも、
廃墟と化した東京を描いた近未来な小説。汚染されて犯罪者やの不具者の巣窟になっている薬島、舌を焼き切るシーン、
妊婦の腹部に突き刺さるナイフ、南海の暗い海底で起きる殺戮、巨大な鰐を飼う透明感溢れる美少女アネモネの怒りなど、
あまりに退廃的で破壊的でやりきれない描写もしばしば。それでも、生命の持つ誰にも押さえつけられない強さとかに、妙に魅かれてしまう。


  この小説を初めて読んだのが、今から約20年前、1986年の大学生の頃。そのとき一番ひっかかった文章がこれ。


  「立派な映画館で、アメリカに亡命したロシア人バレリーナの恋愛物語を見た。恋を選ぶか、バレエと祖国を選ぶか、
白鳥の湖を踊りながら主人公が悩む、バカな奴だとキクは思った。自分が最も欲しいものは何かわかっていない奴は、
欲しいものを手に入れることが絶対にできない、キクはいつもそう考えている。」

  当時、なんか思いっきり共感。で、今でも共感。


cf.村上龍 読破 List

- "http://emam.cocolog-nifty.com/emam/2005/05/post_3b4a.html">半島を出よ

- "http://emam.cocolog-nifty.com/emam/2005/05/post_c2ec.html">空港にて

- "http://emam.cocolog-nifty.com/emam/2006/06/2days_4girls_d39f.html">
2days 4girls


- "http://emam.cocolog-nifty.com/emam/2006/09/_shield_5699.html">盾
Shield


- "http://emam.cocolog-nifty.com/emam/2007/10/post_73d9.html">コインロッカー・
ベイビーズ


PS.

というわけで、明日(もう今日か)から遅めの夏休み。クアラルンプール(マレーシア)に向かいます。帰国予定は10/7(日)。
うまいもん食べて、ゆっくり読書しようっと。会社の皆さん、ごめんなさい。では行ってきまーす。

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