「アジアンタムブルー/大崎善生」を読んだ
最近いい感じになってきて、三茶の文教堂書店で買った大崎善生氏の
「アジアンタムブルー」
(角川文庫)について。
アダルト雑誌"月刊エレクト"編集部に勤める山崎。末期の癌に冒された恋人 葉子とのニースでの日々を核に、
かつての万引きによる心の傷や美術室での出来事、吉祥寺東急百貨店の屋上から見上げる空など、喪失と優しさを描いた悲しい恋愛小説。
最愛の人を末期癌で亡くす。人はそのとき何を望み、それをどう受け止め、どうしたらその虚しさから脱することができるのか。
そして、その悲しみを乗り越えられるものなのか。生きていく意味とかその後の魂の行く末とか、喪失を描いた恋愛小説なんだけど、
作者のイイタイコトはもっと広範囲。不倫の結果、夫を心中でなくした宏美とか、論説委員「(青)」の新聞のコラムとか、
山崎は出会う人々から、いろんな優しさをもらい、与えていく。そんな深遠なことごとが静かに透明に描かれてる。
涙は出なかったけど、読み終わったあとに大きなため息が出て、力が抜けた。そんな小説だった。
cf.大崎善生 読破 List
- ロックンロール
- パイロットフィッシュ
- アジアンタムブルー
PS.明日から1泊2日で人生5回目の韓国出張。ほんと韓国に行くのは2年ぶり。 ちなみに韓国の気温は氷点下らしい。ともかく、市場を見て、話して、何かを感じて帰ろう。では、行ってきまーす。
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