イリヤ・カバコフ「世界図鑑」-絵本と原画-/Ilya Kabakov ORBIS PICTURE-Children's Book Illustrator as a Social Character-
今日は早起きして、世田谷区中央図書館に借りていた大量の伊坂幸太郎氏小説を返した後、久しぶりに砧公園にある
「世田谷美術館」に向かう。で、
ちょっと気になっていた「イリヤ・
カバコフ「世界図鑑」-絵本と原画-/Ilya Kabakov ORBIS PICTURE-Children's Book
Illustrator as a Social Character-」を観る。
1950年代から1980年代にかけて、旧ソビエトで出版された絵本とその原画の展示会なんだけど、この作者はIlya Kabakov(イリヤ・カバコフ)氏。
ウクライナ出身の現代芸術家、児童書の挿絵画家。カバコフ氏の描くソ連の子どもたちの世界は、ともかく緻密で、ユーモラスで、
なつかしい感じ。子どもたちがわかるように、通りで遭遇する信号機や横断歩道の渡り方などを教える絵本とか、
ゴムはどこから生まれるのかを伝える絵本とか、人がどのようなものに文字や絵を描いてきたのかを教える絵本とか、
ほんと子ども目線で描かれてる。また、「アンデルセン童話」や「長靴をはいた猫」など、国外作品のソ連版に挿絵を描いたりしてる。
一方で、旧ソビエト時代の社会主義思想を子ども達に伝える本に挿絵を描きながら、そのイデオロギーを非難すべく、
果物とか魚とかの子ども向け塗り絵の後ろに「Fuck You!」の文字を描いていたりと、反骨精神もありありな芸術家。
それにしてもこの展覧会、やはり子ども達が楽しめるようにと、絵本や原画の位置は、低めに展示されてる。
1時間半くらいかけて、ゆっくり堪能。心地よい休日の展示会。
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