「邪魔/奥田英朗」を読んだ
世田谷中央図書館で借りて読んだ奥田英朗氏の
「邪魔」<上/下>(講談社文庫)について。
妻を交通事故で亡くしたトラウマからずっと立ち直れない警部補"九野薫"と、
スーパーのパートをしながら家族4人で平凡に暮らす主婦"及川恭子"と、
大学に進学したいのだが特に将来の目標もなく不良仲間と遊びほうけている高校生"渡辺祐輔"。
まったく関係なかった彼らの人生が放火事件をきっかけに、交錯していくというサスペンスでミステリーな犯罪小説。
夫が勤め先の会社で起きた放火事件の容疑者であることを知ったときから始まった及川恭子の常軌を失った行動は凄まじい。
そして、義母を心の支えとしている九野薫とその義母との関係も、思わず「えっ!?」って感じ。
で、本書のTitle「邪魔」について。普通に生活してると、誰でも「邪魔」に思える事々とか人々とかがいろいろ出てくる。
そして、誰しも心の中で、お前は邪魔!! とか思うもの。でも、実際には、邪魔とか言えないし、
むき出しな感情や行動を出すことはめったにないもの。この境界線を越えた人々の姿をこの小説で言いたかったことのかも。
というわけで、最高な現代作家のひとり。奥田英朗氏の作品もジワジワ読んでいこう。
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