「ラム&コーク/東山彰良」を読んだ
一度読もうとして挫折した東山彰良氏の
「ラム&コーク」
(宝島社文庫)について。
あらすじは、こんな感じ。墓石販売業を営む新納家。刑務所帰りの新納礼は、
家業である墓石販売業の父親が決めた中国進出にともない、異母兄の藤木冴とともに、
幼馴染みの大友翔子が教える大学に中国語を習いにいくことに。片や、15年前に中国から日本に密入国してきた林傑と羅偉慈は、
瀬川公平のもとで高利貸しの取立て屋をしていた。で、瀬川が仕切る地下銀行の隠し金を奪うため、
孫娘の大友翔子を利用しようと大学に乗り込んだ。欲望まみれの日本People、中国People、
そして台湾Peopleの闇金争奪戦を描いたのがこの小説。
ともかく、この小説、大金をめぐるHardboiledでOff Beatな犯罪小説。人は死にまくるし、
嘘と虚栄と虚像と微妙な国の生い立ちに溢れた話。でも、その攻防戦が面白く、いい感じのEntertainment小説に仕上がってる。
それにしても、去年一度読み出したときは、誰が蛇頭のVIPで、誰が元中国公安局員で、
誰が入国管理官に追われる裏ビデオ屋で、誰が新納壮一郎の子どもで、とかとかの登場人物で混乱して、思いっきり挫折。で、今回はあえて、
誰が誰だか覚えないで、ともかく流れに任せて読んでみたら、一気に堪能。やっぱ、さらっと読むのも大事な読書作法。
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