「第三の時効/横山秀夫」を読んだ
これも先日行った上海OfficeにあったN先輩文庫の中から拝借して、
読んでみた横山秀夫氏の
「第三の時効」
(集英社文庫)について。
時効の発生は事件発生から15年の今日。しかし実際は、容疑者が事件後海外に滞在したため、7日間のタイムラグがある。
F県警はこのタイムラグの間に容疑者を追いつめようとする表題作「第三の時効」をはじめとする警察小説の連作集。
この連作小説で描かれるのは、ミステリーを解いていくこと以上に人間関係の生々しいえげつなさ。
不幸な交通事故以来一度も笑わなくなった強行一係の班長"朽木"、冷徹な仕事ぶりにチームからも嫌われる公安出身の強行二係の班長"楠見"、
そして、動物的な勘を重視するたたき上げの強行三係の班長"村瀬"。彼らを中心に刑事たちの人間模様は、ときにむごたらしく、ときにせこい。
特に出世のための競争は、本当にリアル。このあたりを徹底的に描かれているので、思いっきりに響くのだろう。もちろん、
3人の中に徹底した犯人逮捕への執念が根底にあるからなんだけど...。
実は、横山秀夫氏の作品を読むのは、これが初めて。「クライマーズ・ハイ」とか「半落ち」とか気になる作品も多い。
ちょっとずつ、読んでいこう。
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Comments
ごぶさたしてます。
地味に横山秀夫ファンです。
最初に「第三の時効」を読まれてしまいましたか・・・
この作家で一番好きな作品です。
これを先に読んでしまうと「半落ち」や「陰の季節」はちょっと緊迫感と言う意味では、物足りないかもしれません。
それでも十分面白いですけど。
Posted by: tactac | Tuesday, August 12, 2008 23:47
>tactacさん
どもども。
いやー、なんか面白そうな本ないかと、適当に選んだ本だったんですが、こんな有名なかたとはわかってませんでした。
ちょっと気になるので、次は「半落ち」あたりから、いこうとおもいます。
Posted by: emam | Wednesday, August 13, 2008 06:44