「平面いぬ。/乙一」を読んだ
ちょっと気になりだした乙一氏。三茶のTsutayaで選んだ
「平面いぬ。
」(集英社文庫)について。
これ、ちょっと長めの4つの短編を集めたファンタジー・ホラー短編集。簡単にあらすじをかいてみると。
「石ノ目」。
その目を見てしまったら石にされてしまう魔物の住む山。そのふもとに住んでいた僕。
故郷の言い伝えに母の消息を求めた男を描いたメドゥーサ伝説みたいな話。
「はじめ」。
妄想だったはずの空想上の女の子"はじめ"と、主人公とその友達の物語。少女と出会い、そして別れるまでの3人の世界が、
楽しく、ほのぼのしてて、最後に切なくなる話。
「BLUE」。
意志を持って生まれてしまった4つのぬいぐるみたち。純粋な心を持った主人公"BLUE"は、不幸の連続の中で、
ぬいぐるみとして愛されることができるのか。
「平面いぬ。」。
"わたしは腕に犬を飼っている"。家族から浮いた存在の女の子がちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に犬のTatooを彫ってもらう。
"ポッキー"と名づけたその犬のTatooがある日突然、動き出す。
ホラー作品と思って、読み出したんだけど、最後には切なさが残った(どの作品も全く違う作品なのに)。 個人的によかったのは、「はじめ」かな。自分も子供の頃、近くの浅川という川の川原で、使われてない下水道の中を何回も探検した。 ひんやりとしてて、音や声が響いてて、進むと真っ暗で、振り返ると遠くに光の入口が見えて、ちょっと臭くて...。そんな懐かしい空気感が、 ちょっと切ない3人の関係とともにじわっと伝わってきた。いい短編集でした。
cf.乙一 読破 List
- Zoo1・
Zoo2
- 平面いぬ。
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