« JAPAN 9 September 2008 | Main | 「Sing/Grapevine」を聴いた »

Sunday, September 21, 2008

「平面いぬ。/乙一」を読んだ

  ちょっと気になりだした乙一氏。三茶のTsutayaで選んだ 「平面いぬ。 」(集英社文庫)について。
  これ、ちょっと長めの4つの短編を集めたファンタジー・ホラー短編集。簡単にあらすじをかいてみると。
  「石ノ目」。
  その目を見てしまったら石にされてしまう魔物の住む山。そのふもとに住んでいた僕。 故郷の言い伝えに母の消息を求めた男を描いたメドゥーサ伝説みたいな話。
  「はじめ」。
  妄想だったはずの空想上の女の子"はじめ"と、主人公とその友達の物語。少女と出会い、そして別れるまでの3人の世界が、 楽しく、ほのぼのしてて、最後に切なくなる話。
  「BLUE」。
  意志を持って生まれてしまった4つのぬいぐるみたち。純粋な心を持った主人公"BLUE"は、不幸の連続の中で、 ぬいぐるみとして愛されることができるのか。
  「平面いぬ。」。
"わたしは腕に犬を飼っている"。家族から浮いた存在の女の子がちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に犬のTatooを彫ってもらう。 "ポッキー"と名づけたその犬のTatooがある日突然、動き出す。

  ホラー作品と思って、読み出したんだけど、最後には切なさが残った(どの作品も全く違う作品なのに)。 個人的によかったのは、「はじめ」かな。自分も子供の頃、近くの浅川という川の川原で、使われてない下水道の中を何回も探検した。 ひんやりとしてて、音や声が響いてて、進むと真っ暗で、振り返ると遠くに光の入口が見えて、ちょっと臭くて...。そんな懐かしい空気感が、 ちょっと切ない3人の関係とともにじわっと伝わってきた。いい短編集でした。

cf.乙一 読破 List
- Zoo1・ Zoo2
- 平面いぬ。

|

« JAPAN 9 September 2008 | Main | 「Sing/Grapevine」を聴いた »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「平面いぬ。/乙一」を読んだ:

« JAPAN 9 September 2008 | Main | 「Sing/Grapevine」を聴いた »