「ユージニア/恩田陸」を読んだ
最近ジワジワはまってる恩田陸氏。
桜新町Tsutayaで見つけた「ユージニア」 (角川文庫)について。
ある名家の祝い事の最中、突如起こった大量毒殺な無差別殺人事件。事件から数十年が過ぎ、
事件の関係者から語られる当日の供述の中で浮かび上がる少女のこと、あの夏の白い百日紅の記憶、残された謎の詩、真犯人は誰なのか、
何故こんな痛ましい事件は起こってしまったのか...。
当時の事件に関わった人々から徹底的に話を聞くというStyleで物語は進んでいくが、その一つ一つが生々しく、
ジメジメする夏の暑さとともに、伝わってくる。で、ページをどんどん進めていって、犯人像やその理由が浮かび上がってくるんだけど、
本当の謎については...。そのぼかし方が気に入るところかもしれないけど、個人的には正直欲求不満な終わり方。ただ異質な人、異端な人、
自分とは違う人に対する自分を含めた人間の排除のしかたって、結構悲しいことなんだけど、この本では、そんな悲しいことを教えてくれる。
恩田さんが伝えたかったことは、謎解きよりもこっちの人間の悲しさだったのかも。
cf.恩田陸 読破 List
- 夜のピクニック
-
ねじの回転-February Moment
- ライオンハート
- ドミノ
- 図書館の海
- ユージニア
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