「ナイフ/重松清」を読んだ
で、相変わらず、読み続けている重松清氏の作品。
三茶Tsutayaで買った「ナイフ」
(新潮文庫)について。
ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。いじめを通じて、子供たちの脆い世界を描いた5つの短編集。
軽く書いてみると...。
「ワニとハブとひょうたん池で」:
少女達の非情で残酷な現実と池にいるらしいワニ。日常の風景を織りまぜながら、
ある日ハブになってしまったミキの戦いが淡々と描いている。
「ナイフ」:
私はナイフを持っている。これで息子を守ってやる。少年の置かれた状況と父の葛藤。
小さな幸福に包まれた家族の喉元に突きつけられる「いじめ」という名の鋭利なナイフ。
「キャッチボール日和」:
幼なじみがいじめらている。自分はただ冷静に見ているだけ。主人公である少女が、距離をおきながら、
自分の親や幼なじみの親子関係を見つめた作品。
「エビスくん」:
転校生エビスくんに毎日いじめつけられる僕。子供たちの世界での、
お互いの不器用さや優しさや残酷さがみごとに描かれてると思う。電車で読んでて、ちょっとだけうるっと来た。この短編集でのMy Best。
「ビタースイート・ホーム」:
学校の宿題の日記を、感情込めずにそっけなく書く少女の生徒。その日記について、少女に説教を続ける教師。
その教師のやり方に怒る元教師の母親。子供たちのことを忘れて、母親たちがこの教師にキレていく、まさにMonster
parentな小説。
いじめの世界をここまで書いてあると、読んでいるこっちまで、身につまされる。誰にも言えずに、必死に戦ってる子供たちは、
たくさんいるんだろな。いじめって、ぶっちゃけ、社会人になってもあるもの。だた、それがあっても、あきらめたり、受け流してるのが、
大人の世界。子供の素直な心と大人のつまらないエゴを教えてくれた短編集だった。
cf.重松清 読破 List
- 流星ワゴン
- いとしのヒナゴン
- 疾走
- 熱球
- くちぶえ番長
- 見張り塔からずっと
- リビング
- きよしこ
- 舞姫通信
- その日のまえに
- ブルーベリー
- ナイフ
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