「封印/黒川博行」を読んだ
なんとなくインパクトのある装丁に惹かれて読んでみた黒川博行氏の
「封印」
(文春文庫)について。
あらすじはこんな感じ。網膜剥離でチャンピオンの夢が断たれたボクサー崩れの酒井は、恩人・津村のパチンコ店で働く釘師。
ある日パチンコ店からの苦情に対応したが、これ以後、査察や業者の取引中止が相次ぎ、なにものかに身に覚えのない"物"を渡せと脅迫され、
ついには津村が失踪する。大阪中のヤクザが、政治家や元警察関係者をも巻き込んで探している"物"とは何か。で、酒井は"封印"を破り、
自らの拳で立ち向かう。
これ、いわゆるハードボイルド小説なんだけど、酒井自身もビビったりしながら、次々と起こるトラブルや謎に、
フットワークよく、でもボロボロになりながら、立ち向かっていく小説。で、釘師として生きることに決めた主人公が、
二度と使わないと誓った拳の封印を切ってでも立ち向かうという彼のMotivationは、助けてくれた人への恩。まるで、仁侠映画だ。
ハードボイルドを感じさせて惹かれたインパクトある装丁だったけど、実態は温かい心が息づいている冒険小説。
思いっきり裏切られて、いい気分。
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