「魔王/伊坂幸太郎」を読んだ #2
完読してしまった伊坂幸太郎氏。
「モダンタイムス」
を読んで、その前作である「魔王」がまた読みたくなった。というわけで、前回の単行本版ではなく、
今回は文庫版の「魔王」
(講談社文庫)を。
もう一度内容を。会社員の安藤とその弟の潤也は、2人で暮らしていた。
"自分の念じた言葉を誰かにしゃべらせる"という自分の持つ超能力に気づいた兄が、台頭するカリスマ性高い若き政治家犬養に対決を試みる話
「魔王」と、その5年後の続編として、強いツキと直感という超能力を持った弟 潤也の話「呼吸」の2つの話。
世の中の流れに立ち向かおうとした兄弟の物語。
兄の安藤は、#考えろ、考えろ、マクガイバー#と言いながら熟考して、行動に移して、
政治家の犬養の作り出すファシズム的な世の流れに立ち向かう。弟の潤也は、世の激しい流れの外側から、流れを変えようとする。
伊坂氏はあとがきで、#ファシズムや憲法、国民投票などが出てきますが、それらはテーマではなく、
そういったことに関するメッセージも含んでいません。...全部、著者の乏しい知識と想像力で作られたものです#と書いている。で、
歯向かえないSystemが世の中にあって、それにどのように折り合いをつけて、少しはうまく利用して、少しは変えていきたいというのが、
この本で伊坂氏がイイタイコトかと。「魔王」を最初に読んだときに感じた違和感は、「魔王」→「モダンタイムス」→「魔王」とめぐって、
やっとわかった気がする。で、村上龍氏の「愛と幻想のファシズムが読みたくなった。そんな本。
cf.伊坂幸太郎 読破 List
- ラッシュライフ
- チルドレン
- 陽気なギャングが地球を回す
- 終末のフール
- オーデュボンの祈り
- 重力ピエロ
- アヒルと鴨のコインロッカー
- グラスホッパー
- 死神の精度
- 魔王
- 砂漠
- フィッシュストーリー
- 絆のはなし/伊坂幸太郎x斉藤和義
- 陽気なギャングの日常と襲撃
- ゴールデンスランバー
- モダンタイムス
- 魔王(文庫)
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