「スワンソング/大崎善生」を読んだ
本当にひさびさ大崎善生氏。
で、世田谷中央図書館で借りた「スワンソング」
(角川書店)について。
で、こんな内容。情報誌編集者の僕は、同僚である由香との3年にも及ぶ恋愛を捨て、
アシスタントとして入社してきた由布子と付き合うことを選ぶ。しかし、そこから歯車が狂い始める。由香から由布子への無言電話、
会社での3人の関係、まわりとの折り合いなどに、由布子は鬱状態に陥り、僕が由布子を支えていかなければならないと決心する。しかし、
その直後、由香が自殺し、由布子はさらに心を閉ざし、壊れていく...。
凄惨で陰鬱で出口のない三角関係の中、自問自答しながら壊れていく由布子にすべてを尽くす主人公。この主人公は、
本当に自分勝手できっちりしない奴で、自分の中で折り合いをつけようとして、つけられないで、遅々としてて、でも、
彼なりに誠実に由布子に尽くし続けていき、自分自身の生活も会社生活も壊していく。読み手としては正直、
この主人公に共感や感情移入はできず、ちょっとイライラしてたんだけど、なんか目が離せなくなり、一気に読んでしまった。理解できそうで、
理解できない。でも最後はEric Claptonの"Tears For Heaven"が出てきて、なんか納得してしまう。
大崎善生氏の作品って、面白い。
cf.大崎善生 読破 List
- ロックンロール
- パイロットフィッシュ
- アジアンタムブルー
- 孤独か、
それに等しいもの
- 九月の四分の一
- ドイツイエロー、
もしくはある広場の記憶
- 別れの後の静かな午後
- 優しい子よ
- ドナウよ、
静かに流れよ
- 将棋の子
- スワンソング
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