「I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好」を読んだ
最近読むものがなくなった伊坂幸太郎氏の作品。 で、伊坂幸太郎氏をはじめ、石田衣良氏、市川拓司氏、中田永一氏、中村航氏、そして本多孝好氏の恋愛短編小説集である 「I LOVE YOU」(祥伝社文庫)を読んでみた。
で、この短編集は6人の作家たちのこんな短編が入っている。簡単にあらすじを。
「透明ポーラーベア/伊坂幸太郎」
転勤で遠距離恋愛をすることになったカップル"優樹"と"千穂"は、動物園の爬虫類館で、
優樹の姉の元彼"富樫さん"と再会する。ボーラーベアは北極熊のことで、優樹の姉が好きだった動物。
「魔法のボタン/石田衣良」
"隆介"と"萌枝"は幼稚園からの幼なじみ。その幼稚園では、肩の骨の先にあるでぱったところの部分(ボタン?)で、
右肩のボタンを押すとその子は透明人間になり、左肩のボタンを押すとその子の体は石になるという「魔法のボタン」ごっこが流行っていた。
「卒業写真/市川拓司」
眼鏡をかけた"木内さん"はスタバで、9年ぶりに"渡辺くん"に声をかけられた。で、
木内さんは中学時代2人いた"渡辺くん"を混同したまま、再会を喜ぶ。
「百瀬、こっちを向いて/中田永一」
"宮崎先輩"と"神林先輩"は理想的なカップル。で、主人公"ノボル"は宮崎先輩に昔からお世話になっていた。
そんな宮崎先輩は、神林先輩に隠れてつきあっていた"百瀬さん"とつきあうように、ノボルにお願いする。
「突き抜けろ/中村航」
大学生"大野"は、彼女との間でお互いを好きでい続けるために、「週に3度の電話と週に1度のデート」というルールを決めた。
「Sidewalk Talk/本多孝好」
離婚を決めたカップルが最後の食事のために会う。しかし彼女は、そんな日でも仕事が忙しく遅刻してしまう。
「恋愛には奇蹟がある...。恋愛には未知の物語がある。初めて恋心を意識したとき、幼なじみに異性を見出したとき、
彼女とのあいだに微妙な心の距離を感じたとき、初恋の同級生と再会を果たしたとき、彼女と恋愛のルールを決めたとき、
そして連れ添った相手との別れを予感したとき…… さまざまな断片から生まれるストーリーを、注目の男性作家陣が紡ぐ、奇蹟のアンソロジー。
」という本。
伊坂幸太郎氏は、相変わらず、淡々と、でもちょっとだけDramaticにまとめてる。で、中村航氏の「突き抜けろ」
は結構面白かった。ぐちゃぐちゃの寮生活なんて、思いっきり親近感湧きました。そして、ひさびさの本多孝好氏。この人はやっぱうまい作家だ。
なんか強気で自分の気持ちを素直に伝えられない感じがとてもよかった。
というわけで、たまにはこんな恋愛小説もホッとできる。
cf.伊坂幸太郎 読破 List
- オーデュボンの祈り
(2000/2003)
- ラッシュライフ
(2002/2005)
- 陽気なギャングが地球を回す
(2003/2006)
- 重力ピエロ
(2003/2006)
- アヒルと鴨のコインロッカー
(2003/2006)
- チルドレン
(2004/2007)
- グラスホッパー
(2004/2007)
- 死神の精度
(2005/2008)
-
I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- 魔王
(2005)
- 魔王(文庫)
(2008)
- 砂漠
(2005/2008)
- 終末のフール
(2006)
- 陽気なギャングの日常と襲撃
(2006)
- フィッシュストーリー
(2007)
- 絆のはなし/伊坂幸太郎x斉藤和義
(2007)
- ゴールデンスランバー
(2007)
- 実験4号
-後藤を待ちながら (2008)
- モダンタイムス
(2008)
cf.本多孝好 読破 List
-
I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- Fine
Days (2007)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「リバー/奥田英朗」を読んだ(2024.08.15)
- 「永遠と横道世之介/吉田修一」を読んだ(2024.07.31)
- 「キネマの神様」を観た(2024.07.22)
- 代官山通信 Vol.166(2024.07.19)
- 「お帰り キネマの神様/原田マハ」を読んだ(2024.07.18)
Comments