「ノルウェイの森/村上春樹」を読んだ
映画化もされるようだし、なんとなくもう一度読みたくなった村上春樹氏の
「ノルウェイの森」(上/下)(講談社文庫)について。
こんな感じで物語は始める。1987年、37歳になった主人公の"僕"(ワタナベトオル)は、
ハンブルク空港に到着した飛行機の中で流れるThe Beatlesの「ノルウェイの森」の曲を耳にして、
18年前に亡くなったある女性のことを思い出す...。
自殺した親友"キズキ"、その恋人の"直子"、同じ学部の"小林緑"、学生寮で同部屋の"突撃隊"、
寮の先輩の"永沢さん"とその恋人の"ハツミさん"、そして「阿美寮」での直子の同室人"レイコさん"。みんな等身大でみんないびつで、
みんな何かを抱えている状況。わかりやすい平静な文章で、淡々と激しい哀しみと孤独を描いている。
この小説を初めて読んだのは、大学2年の頃だから、もう20年以上も前のこと。
こんな微妙で難しい状況に自分自身は陥っていなかったものの(たぶん...)、なんとなく空気は伝わってきてた。で、今回読んでみて、
新しい気づきはなかったけど、結局伝わってきたのは、人間の儚さかな。ただ、必要以上に性描写が多いのはちょっと食傷気味。ともかく、
ひとつの時代を表現し、それが今でも続いているのは、やっぱ昭和の名作なんだろな。
cf.村上春樹 読破 List
- カンガルー日和
(1981-1983)
- レキシントンの幽霊
(1986)
- ノルウェイの森
(1987)
- もし僕らのことばがウィスキーであったなら
(1997)
-
Mr.and Mrs.Baby and Other Stories-犬の人生/Mark Strand-マーク・ストランド
(1998)
- 神の子供たちはみな踊る
(1999-2000)
- 海辺のカフカ
(2002)
- アフターダーク
(2004)
- 東京奇譚集
(2005)
- ふしぎな図書館/村上春樹・
佐々木マキ (2005)
- 走ることについて語るときに僕の語ること
(2007)
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