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Monday, July 06, 2009

「暗黒童話/乙一」を聴いた

Otsuichi_ankokudowa桜新町ampmで徘徊してて、久々に読みたくなった乙一氏の作品。今回は「暗黒童話」(集英社文庫)について。
ともかく、切なくてグロい話のあらすじを。突然の事故で、今までの記憶と左眼を失ってしまった女子高生の"私"。臓器移植手術で、死者の眼球の提供を受けたのだが、やがてその左眼は、激しい痛みと共に様々な映像を脳裏に再生し始める。その映像は、左眼が見てきた風景の記憶だった…。
これ、死者の眼球が呼び覚ます悪夢の記憶というホラー小説。そこに少女の葛藤と成長がからんでくる話。この小説に出てくる「アイのメモリー」という童話が、これまたグロくて、最後はちょっと切ない内容になっているし、最後に向けて様々な伏線が明らかになってくるのも、結構面白い。途中、人体を切断して、それを他の人体にくっつけるあたりの描写は、目を覆いたくなるものだけど、やはり監禁された少女の描写も凄まじい。雰囲気は昔観た映画「Boxing Helena/ボクシング・ヘレナ」(愛する女の手足を切断し、自分の部屋に監禁する異常な男の姿を描いたもの)のようだったけど、そこにそれとない悲しさにあふれていた。ともかく思ってた以上にひき込まれた乙一氏の「暗黒童話」だった。

cf.乙一 読破 List
- 暗黒童話 (2001)
- 死にぞこないの青 (2001)
- 平面いぬ。 (2003)
- Zoo1・Zoo2 (2003)
- GOTH 夜の章・GOTH 僕の章 (2005)

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