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Tuesday, September 15, 2009

「共生虫/村上龍」を読んだ

Ryumurakami_kyoseichu 2000年の刊行当時も読んだ村上龍氏の「共生虫」(講談社文庫)。二子玉川の紀伊国屋書店でもう一度読みたくなって、再読した。
 こんな話。祖父から受け継いだ謎の灰色の糸のような細長い虫を、体内に宿した引きこもり青年ウエハラ。彼はあこがれるニュースキャスター坂上美子のHome Pageの裏Site"インターバイオ"から、その虫が殺戮と種の絶滅を司る"共生虫"であると教えられる。共生虫を体内に飼っている選ばれた人間は、殺人・殺戮と自殺の権利を神から委ねられていると自覚したウエハラは、生贄を求めて外の世界に飛び出してゆく...。
 約9年ぶりに読んだんだけど、複雑で混乱してグロテスクな描写が続いている。ウエハラはズレた人間たちと共鳴しながら、選ばれた人間でることをどんどん自覚していき、綿密にかつ執拗に殺戮の準備を進めていく。で、その頂点である緑の工場での殺戮Sceneは相当エグイ。
 引きこもりといった社会悪を暴くといった小説ではなく、あくまで、過去から脈々と続く人間の精神的な異常な暗部をえぐり出している。後味は相当悪いけど、読まずには看過できない小説。

cf.村上龍 読破 List
- 限りなく透明に近いブルー (1976)
- コインロッカー・ベイビーズ (1980)
- 69 sixty nine (1987)
- 昭和歌謡大全集 (1994)
- 五分後の世界 (1994)
- ヒュウガ・ウイルス~五分後の世界II (1996)
- ストレンジ・デイズ (1997)
- イン ザ・ミソスープ (1997)
- 共生虫 (2000)
- 希望の国のエクソダス (2000)
- 2days 4girls (2002)
- 半島を出よ (2005)
- 空港にて (2005)
- 盾 Shield (2006)
- 美しい時間/小池真理子・村上龍 (2006)

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