「中国行きのスロウ・ボート/村上春樹」を読んだ
先日実家に帰ったとき、昔の本棚を物色してて、何冊かを世田谷に持ってきた。そんな中の1冊、村上春樹氏の処女短編集「中国行きのスロウ・ボート」(中公文庫)について。
この短編集に入っているのは、7つの短編。「中国行きのスロウ・ボート」「貧乏な叔母さんの話」「ニューヨーク炭鉱の悲劇」「カンガルー通信」「午後の最後の芝生」「土の中の彼女の小さな犬」 「シドニーのグリーン・ストリート」。
で、個人的によかったのは、「午後の最後の芝生」と「土の中の彼女の小さな犬」。
まずは、「午後の最後の芝生」。真夏に丁寧に芝刈りをするシーンが浮かんできた。実家にいた頃よく庭の芝を刈ったけど、隅のほうまで均一に刈るのはほんと難しかったし、腰がだんだん痛くなって、結構つらい作業だった。なんか夏の日の思い出や情景をバッサリ切り取って、そこに、もの悲しさが漂っている感じが伝わってきた。また来年の夏に読んでみよう。
で、「土の中の彼女の小さな犬」。これはちょっと恩田陸氏の小説につながりそうな、不思議な小説。子供のときの無邪気で無防備で無意識なか弱さがじわっと伝わった。それにしても、死んだ犬を掘り返すシーンは、なんか乾いてて、ジトジトしてない。とても奇妙な感覚な小説。
というわけに20年以上ぶりに読んだ「中国行きのスロウ・ボート」。正直、内容とかは覚えていなかったけど、いい感じでまったり読めました。
cf.村上春樹 読破 List
- 中国行きのスロウ・ボート(1980)
- カンガルー日和 (1981-1983)
- レキシントンの幽霊 (1986)
- ノルウェイの森 (1987)
- もし僕らのことばがウィスキーであったなら (1997)
- Mr.and Mrs.Baby and Other Stories-犬の人生/Mark Strand-マーク・ストランド (1998)
- 神の子供たちはみな踊る (1999-2000)
- 海辺のカフカ (2002)
- アフターダーク (2004)
- 東京奇譚集 (2005)
- ふしぎな図書館/村上春樹・佐々木マキ (2005)
- 走ることについて語るときに僕の語ること (2007)
- 1Q84 (2009)
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