「ぼくのメジャースプーン/辻村深月」を読んだ
市川駅の本屋をウロウロしてるとき、綺麗な表紙が気に入って選んだ2冊目、辻村深月氏の「ぼくのメジャースプーン」(講談社文庫)について。
こんな話。ある日、学校で起きた陰惨な事件。ぼくの幼なじみ ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。ぼくは彼女のため、犯人に立ち向かうことを決めた...。
これ、声による不思議な能力を持った男の子と陰湿な事件に巻き込まれてPSTD(心的外傷後ストレス障害)になってしまった仲良しの女の子を助けるためにがんばるFantasy小説。反省したそぶりを見せる愉快犯にどのような償いをさせるかという戦いを通して、男の子は成長していく。で、この男の子が持つ力は、"条件ゲーム提示能力"というもので、1人の人に1回だけ2つの条件を提示してどちらかを選ばせるというもの。そして、その成長の過程で師となる先生に出会うんだけど、この2人の禅問答のようなやり取りが、まるで惑星ダゴバでのYodaとLuke Skywalkerのシーンのようだった。ま、このあたりは正直、冗長な印象を受けたけど、男の子の決意やひたむきさに、なんか気持ちいい読後感を持てた。
それにしても、この辻村深月氏の作品、結構好きなTaste。優しいし、繊細だし、揺れ動く気持ちのとらえ方がうまいと思う。しかも、透明感のある文章が好感を持てる。次は、Debut作"冷たい校舎の時は止まる"を読んでみたい。
cf. 辻村深月 読破 List
- 凍りのくじら (2005)
- ぼくのメジャースプーン (2006)
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