「puzzle(パズル)/恩田陸」を読んだ
また読みたくなった恩田陸氏。世田谷中央図書館で借りた「puzzle(パズル)」(祥伝社文庫)について。
こんなあらすじ。長崎県西彼杵(にしそのぎ)郡の4km沖にあり、かつては石炭で栄えたが今は無人島となっている無機質で廃虚の島"鼎(かなえ)島"。ここで、学校の体育館で発見された餓死死体、高層アパートの屋上に墜落したとしか思えない全身打撲死体、そして映画館の座席に腰掛けていた感電死体が見つかる。その3遺体の死亡推定時刻も限りなく近い。偶然による事故なのか、殺人事件なのか...。
この話、3つのパートに分かれているんだけど、最初のパートでは、いきなり奇妙な記事とかのコピーが出てくる。その内容は、「さまよえるオランダ人の伝説の説明」、「映画"2001年宇宙の旅"の記事」、「元号制定についての新聞記事」、「料理の記事」そして、「2万5千分の1の地形図」。こんなパズルが微妙に謎解きにつながっていくんだけど、正直ミステリーとしては、微妙な印象。しかも謎解きの過程は少々性急な印象。でも、Lastはなんとなく非日常で不思議な読後感。
150ページで大きな文字の中編小説(って書いてある)。恩田陸氏の世界と雰囲気を味わうにはいい小説。というわけで、読書の秋、満喫中。
cf.恩田陸 読破 List
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
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