「TVピープル/村上春樹」を読んだ
実家から持って帰った昔の本を再読中。続いて、村上春樹氏の短編集「TVピープル」(文春文庫)について。
で、この短編集に入っているのは、5つの短編。「TVピープル」「飛行機-あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」「我らの時代のフォークロア-高度資本主義前史」「加納クレタ」「ゾンビ」 「眠り」。
で、個人的にひっかかったのは「TVピープル」と「ゾンビ」と「眠り」。TVピープルという得体の知れないものが生活の中に潜入してくる非現実な出来事と恐怖を描いた"TVピープル"。自分の彼氏が突然にゾンビ化したらびびるよねというまるで、Michael JacksonのPV"Thriller"のような"ゾンビ"。そして、いきなり不眠症になった妻がもうひとつ夜の世界をだんだんと楽しみだし、今の日常の世界に疑問を持ち出す"眠り"。なんか不条理な世界を見事に描いてる。
この短編集を読んで、村上春樹氏って、不条理で不確実な世界を描くのも上手な作家だなってことをあらためて認識しました。ほんと、村上春樹氏は侮れない...。
cf.村上春樹 読破 List
- 中国行きのスロウ・ボート(1980)
- カンガルー日和 (1981-1983)
- レキシントンの幽霊 (1986)
- ノルウェイの森 (1987)
- TVピープル (1990)
- もし僕らのことばがウィスキーであったなら (1997)
- Mr.and Mrs.Baby and Other Stories-犬の人生/Mark Strand-マーク・ストランド (1998)
- 神の子供たちはみな踊る (1999-2000)
- 海辺のカフカ (2002)
- アフターダーク (2004)
- 東京奇譚集 (2005)
- ふしぎな図書館/村上春樹・佐々木マキ (2005)
- 走ることについて語るときに僕の語ること (2007)
- 1Q84 (2009)
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