「月の裏側/恩田陸」を読んだ
また読みたくなった恩田陸氏。二子玉川の紀伊国屋書店で買った「月の裏側」(幻冬舎文庫)について。
こんなあらすじ。九州の水郷都市 箭納倉で、3人の老女が疾走する事件が起きた。消えたのは、3人とも掘割に面した日本家屋に住む老女だったが、3人とも数日後には、何事もなかったように帰ってきた。ただし、いなくなっている間の記憶は喪失したままであった。こんな事件に興味を持った元大学教授"協一郎"、その教え子だった"塚崎多聞"、新聞記者の"高安"らは、徐々に不思議な存在に気がつく。それが"人間もどき"...。
これ、Fantasyであり、SFであり、Horrorであり、Mysteryな小説。街中にはりめぐらされた水が徐々に意思をもっていくような話。その中で、自分はほんとうに人間なのか? でも、それをどうやって証明するのか? を問い詰めていく。この手の話、「Invasion of the Body Snacthers/SF/ボディ・スナッチャー」(最近観ました、今度書きます)とか「The Invasion/インベージョン」といったSF的な映画でもよくネタになる話。そこに、日本的なジトッとした湿り気と叙景感が空気の陽に伝わってくるのが、恩田陸氏ならでは。さすがです。
で、この小説、年末に行った北海道旅行で読んだけど、雪降る温泉宿の非日常な中で読むと、ほんと雰囲気ピッタリのゾクゾク感でした。今度読むときは、じっとりした梅雨あたりがいいかも。
というわけで、次はいただいちゃった3部作「光の帝国 常野物語」「蒲公英草紙 常野物語」「エンドゲーム 常野物語」を読む予定。たまに読みたくなる恩田Worldです。
cf.恩田陸 読破 List
- 月の裏側 (2000)
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
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