「予知夢/東野圭吾」を読んだ
ジワジワはまってる東野圭吾氏。帝都大学理工学部物理学科助教授 探偵ガリレオこと湯川学が不可思議な事件を論理的に解決していく探偵ガリレオシリーズの2作目「予知夢」(文春文庫)。二子玉川のBook 1stでひっかかったので、読んでみた。
で、これ、5つの事件が収録されている推理短編集。簡単にあらすじを。
「第一章 夢想る(ゆめみる)」:
16歳の森崎礼美の寝室に忍び込んだ坂木信彦は、礼美の母親にとがめられ逃走し、轢き逃げ事故を起こした。奇妙なことに坂木信彦は、17年前から「自分はいつか"モリサキレミ"という名前の女性と結ばれる」という夢想を口にしていた...。
「第二章 霊視る(みえる)」:
長井清美が小杉浩一によって殺害されたほぼ同時刻、現場から離れた場所で彼女の姿を目撃した者がいた。いわゆる霊視の可能性はないかと草薙刑事から相談を持ちかけられた湯川は、単なる錯覚だと笑い飛ばしたが...。
「第三章 騒霊ぐ(さわぐ)」:
草薙刑事は、姉の友人の神崎弥生から彼女の夫が5日前から行方不明になっているという相談を持ちかけられた。その足取りは、高野ヒデという老婦人の家で途絶えていおり、草薙が高野家を訪ねると、そこにはヒデの親類という男女がいて、数日前に老婦人は亡くなったと言われてしまう...。
「第四章 絞殺る(しめる)」:
町工場を経営する矢島忠昭は、昔の借金を返してくれる人が現れたと言い残して外出し、そのまま帰らなかった。忠昭の娘 秋穂はその前夜、火の玉を見たと語り不安におびえる中、翌日になって、忠昭はホテルの一室で絞死体として発見された...。
「第五章 予知る(しる)」:
菅原直樹の愛人 瀬戸富由子が、直樹の向かいのマンションの部屋で、見せつけるように首を吊って死んだ。直樹には完璧なアリバイがあり、状況はすべて自殺の方向を示していた。しかし、菅原家の隣室に住む少女が事件の3日前に、富由子の部屋で女性が首を吊っている姿を見たと証言していた...。
この探偵ガリレオシリーズのよさは、一見、幽霊、ポルターガイストといったオカルト的な超常現象と思えるような事件を、明晰な推理と確固たる論理で解決していくこと。今回も、いろんな伏線がからみながら、浮気とか不義といった過去の過ちとか老婦人の相続狙いとか、人間の欲望やあざとさが暴かれていくことが面白かった。
ともかく、高校時代、物理で赤点を取って、私立文系に路線を絞った私にも楽しめられるこのシリーズ。で、第3作「容疑者Xの献身」、第2作「予知夢」と読んでみたので、次は第1作の「探偵ガリレオ」を読んでみよう。
cf.東野圭吾 読破 List
- ブルータスの心臓 (1989)
- パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
- 予知夢 (2000)
- レイクサイド (2002)
- 時生 (2002)
- 容疑者Xの献身 (2005)
- 赤い指 (2006)
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