「Nineteen Eighty-Four -一九八四年[新訳版]/George Orwell-ジョージ・オーウェル」を読んだ
昔から気になってたGeorge Orwell氏作の「Nineteen Eighty-Four -一九八四年[新訳版]」(ハヤカワepi文庫)。去年、村上春樹氏の「1Q84」を読んで、意を決して今回読んでみた。
こんな話。"ビッグ・ブラザー"率いる党が支配する超全体主義的近未来。思想、言語、結婚などあらゆる市民生活に統制が加えられ、物資は欠乏し、市民は常に"テレスクリーン"と呼ばれる双方向テレビによって、屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されている。まさに、BIG BROTHER IS WATCHING YOUな状態。で、Winston Smithは、真理省記録局に勤務する党員で、状況が変化するたびにそれにまつわる歴史を、すべて改竄することが仕事だった。しかし彼は、完璧な屈従を強いる党の体制に不満を抱いていた。そんなある時、奔放な女性Juliaと出会い、伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになる...。
これ、全体主義国家によって統治された近未来世界の恐怖を描き、スターリンといった当時の世界情勢そのものへの危惧を示し、将来のコンピュータによる個人情報の管理へ警鐘を鳴らしたもの。で、まさにすべての活動を、ある程度管理することが可能になったのが、今の現在社会。うちの会社でも、非接触カードによって、Officeへの入出が管理され、これが勤怠データと連携し、エレベーターにも監視カメラがついていて、食堂ではその日に食べた食事のカロリー計算が行われている(最近なくなったけど)。便利な反面、あらためて不気味だ。
で、この小説は思想警察と彼らによる拷問まで描かれて、相当恐ろしい。システムの整備はWelcomeだけど、精神と思想を統制されるのは、まったくいただけない。古くて新しい古典の名作。読み応えありました。
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