「SOSの猿/伊坂幸太郎」を読んだ
やっと順番が回ってきて、世田谷中央図書館で借りることができた伊坂幸太郎氏の最新作「SOSの猿」(中央公論新社)について。
こんなあらすじ。家電量販店でエアコンを売ってる店員"遠藤二郎"は、イタリアで修行した"エクソシスト"(悪魔祓い)というもう1つの顔を持つ。他人の発する"SOS"を見過ごせない性格の遠藤は、ある日親戚の"辺見のお姉さん"にひきこもりの息子"眞人"の悪魔祓いを依頼され、辺見家に訪ねる。そして、桑原システムの品質担当社員"五十嵐真"は、20分間で300億円の損失を出した菩薩証券の株誤発注事故の調査を命じられる。この菩薩証券は、この損失を起こしたミスの原因を桑原システムが作ったシステムのせいにしたがっている。関係者への聞き取り調査を始めた五十嵐は、摩訶不思議な幻想に巻き込まれていく...。
この2つの物語に、あの"西遊記"の斉天大聖・孫悟空が巧妙にからんで、1つの救いの物語になっていくんだけど、一気に読んでしまった。で、今作も不可思議な作品に仕上がってるけど、世の中は完璧な善も悪もなく、ただ、悪い奴がいて、本当のことを知りたがってる人がいて、困ってる人がいるもの。そんで、この物語は、こんな世の中で、ただ困ってる人が発しているSOSに気づいて、救いたいというのが、素直なTheme。
で、この本、昔の伊坂作品に比べると、Storyは巧妙だけどインパクトが弱いとか、破天荒でいくならいくという振り切り方が弱いといった書評が多い。確かに前半はもさっとした感じだったけど、後半はいい感じでまとまってると思う。期待値が高いってつらいですね。それにしても、自分は、香取慎吾よりは、堺正章だな...。
cf.伊坂幸太郎 読破 List
- オーデュボンの祈り (2000/2003)
- ラッシュライフ (2002/2005)
- 陽気なギャングが地球を回す (2003/2006)
- 重力ピエロ (2003/2006)
- アヒルと鴨のコインロッカー (2003/2006)
- チルドレン (2004/2007)
- グラスホッパー (2004/2007)
- 死神の精度 (2005/2008)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- 魔王 (2005)
- 魔王(文庫) (2008)
- 砂漠 (2005/2008)
- 終末のフール (2006)
- 陽気なギャングの日常と襲撃 (2006)
- フィッシュストーリー (2007)
- 絆のはなし/伊坂幸太郎x斉藤和義 (2007)
- ゴールデンスランバー (2007)
- 実験4号 -後藤を待ちながら (2008)
- Re-born はじまりの一歩/伊坂幸太郎・瀬尾まいこ・豊島ミホ・中島京子・平山瑞穂・福田栄一・宮下奈都 (2008)
- モダンタイムス (2008)
- SOSの猿 (2009)
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