「冷たい校舎の時は止まる/辻村深月」を読んだ
市川駅の本屋でまた読んでみたくなった辻村深月氏の「冷たい校舎の時は止まる」<上/下>(講談社文庫)について。
こんな話。大学受験を控えた高3の冬、雪降るある日、登校してきた8人の生徒は、無人の校舎に閉じ込められてしまう。この8人以外の生徒の姿は見当たらない。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に自殺した同級生のことを思い出すが、その顔と名前がどうしても思い出せないことに気付く...。
この小説、文庫文2冊、1,200ページ弱にもおよぶ正統派でホラーなミステリー小説。そして、ホラーファンタジーの要素も強い。人の精神世界に巻き込まれるという設定としては、あの映画「The Cell/ザ・セル」に通じる世界。で、この長文が思う存分に使い尽くされて、丁寧にじっくりとそれぞれの生徒や榊という先生のキャラが、読む側に刷り込まれていく。そんなひとりひとりが、じわじわとホストにやられていくんだから、そりゃーひきこまれる。途中、図書館に返さなきゃいけない関係で、一度中断したけど、一気に読み通すのがいいと思う。
自分は、「凍りのくじら」を読んでから、好きになった辻村深月氏。これからもじっくりはまっていこう。
cf. 辻村深月 読破 List
- 冷たい校舎の時は止まる (2004)
- 凍りのくじら (2005)
- ぼくのメジャースプーン (2006)
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