「さまよう刃/東野圭吾氏」を読んだ
カンボジア出張の行きの飛行機の中で一気に読み終えた東野圭吾氏の「さまよう刃」(角川文庫)について。
こんな話。会社員"長峰重樹"の一人娘"絵摩"の死体が、荒川の下流で発見される。悲しみに暮れる長峰だが、数日後、犯人の名前と居場所を告げる密告電話をかかってくる。迷った末に、告げられたアパートへ長峰は向かうが、その部屋で複数のビデオテープを見つける。そこには、最愛の娘 絵摩が2人の犯人に陵辱されている映像が写っていた。偶然帰宅した犯人の1人"伴崎敦也"を激情のあまりに惨殺した長峰は、伴崎からもう1人の犯人"菅野快児"は長野のペンションにいるという潜伏情報を聞き出す...。
ともかく、この小説はあまりに悲惨。少年犯罪被害者の悲痛の叫びとか、人の心に土足であがってくる心ないマスコミの実情とか、罪を犯した少年を更正させるという考えかたに立脚した少年法のそもそもの現状とか、警察は少年をさばくために存在するのか、それとも法を守るために存在するのかとか...。あまりに考えさせられるものが多いものだった。それにしても、東野圭吾氏の筆力は凄い。復讐に燃える遺族の執念とかが、迫真で迫ってくる。これからも読み続けたい作家に1人。ほんと、貸してくれてありがとうございます、後輩I君。
cf.東野圭吾 読破 List
- ブルータスの心臓 (1989)
- パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
- 予知夢 (2000)
- レイクサイド (2002)
- 時生 (2002)
- さまよう刃 (2004)
- 容疑者Xの献身 (2005)
- 赤い指 (2006)
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