「蒲公英草紙 常野物語/恩田陸」を読んだ
じっと読み続けている恩田陸氏。幸せにもKor-chanからいただいた3冊の"常野物語"シリーズ。「光の帝国 常野物語」に続き、「蒲公英草紙 常野物語」(集英社文庫)を読んでみた。
この"常野物語"シリーズ、2作目はこんな感じ。19世紀末が終わり、"にゅう・せんちゅりぃ"が始まった20世紀初頭の東北の農村。青い田園が広がる風景の中、少女"峰子"は、集落の名家"槙村家"の"聡子嬢"の話し相手を務めていた。そんなある日、聡子の予言通りにあの一族が訪れた。彼らは、他人の記憶や感情をそのまま受け入れるちから"しまう"やそれを発散するちから"響く"、未来を予知するちから"遠目"、こんな不思議な能力を持つ常野一族。
今回の話は、ともかく懐かしく切ないFantasy。平和で牧歌的で優しさにあふれた空気感、人々の生き方も気持ちもゆがんでいない。で、ともかくよかったのは、聡子が迎えられたScene。悲観する父親と母親に、聡子が"響いた"ときは、ほんとうに涙がにじんだ。
きっと古きよき日本は、今よりも過酷だったんだどうな...。さ、次は3作目の「エンド・ゲーム 常野物語」。おいおい読んでいこう。ありがとうございます!
cf.恩田陸 読破 List
- 光の帝国 常野物語 (1997)
- 月の裏側 (2000)
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
- 蒲公英草紙 常野物語 (2005)
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Comments
こんばんは、コメントありがとうございました。
この作品を流れる、ノスタルジックな雰囲気、最高ですね。
正直、恩田陸の作品は、良く分からない部分が多いのですが(笑)、いくつか、私のツボにはまってしまうような作品があります。これも、そんな作品の一つでした。
Posted by: 風竜胆 | Saturday, October 09, 2010 19:57
>風竜胆さん
コメントをありがとうございます。
はい、同感です。で、最近「朝日のようにさわやかに」という恩田さんの短編集を読んだのですが、正直、微妙でした。やっぱ、長編のほうが自分は好きみたいです。
では~
Posted by: emam | Sunday, October 10, 2010 07:09