「家日和/奥田英朗」を読んだ
三茶のTsutayaを徘徊中、ひさびさに読みたくなった奥田英朗氏。選んだ「家日和」(集英社文庫)について。
これ、6つの話からなる短編小説集。会社が突然倒産し、いきなり主夫になり家事に目覚めてしまったサラリーマンの話(「サニーデイ」)とか、ネットオークションにはまってしまった専業主婦の話(「ここが青山」)とか、妻が出て行き、残された家で趣味満載自分の城を作り上げる男の話(「家においでよ」)、内職先の若い担当を意識し始めた途端、Hな夢を見るようになった主婦の話(「グレープフルーツ・モンスター」)とか、野心家で山師の夫を持つイラストレータの妻の思いの話(「夫とカーテン」)、そして急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家の話(「妻と玄米御飯」)の6つが収録されてる。
個人的によかったのは、「家においでよ」と「妻と玄米御飯」。まずは「家においでよ」なんだけど、自分の好きなRockのAlbumとか映画とか家具とか絵とかに囲まれた生活ってほんと憧れる。若いころは好きだったモノに囲まれて生活していたけど、結婚と同時に自分の趣味を押し付けることができない。しかし、もう一度、あのころのように好きなモノに囲まれたい。お金も若いころより、若干あるし...。ま、自分は結構、趣味の部屋を持たせてもらってるので、ありがいです。ともかく、とってもわかる話だった。で、「妻と玄米御飯」。これまた、よーくわかる。妻がつきなってる隣人たちの影響でロハスにいきなり目覚めるなんて、これまたありそうな話。しかも、気取った隣人を小馬鹿にしたいのもよーくわかる。やっぱ、いじりたくなるよな。現代への批判と妻への気遣いが感じがよかった。
というわけで、あの重松清氏っぽいこころ温まる短編集だった。
cf.奥田英朗 読破 List
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- マドンナ (2002)
- イン・ザ・プール (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
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