「青い鳥/重松清」を読んだ
じっくり飽きずに少しずつ読んでいる重松清氏の作品。今回読んだのは世田谷中央図書館で借りてみた「青い鳥」(新潮文庫)。
こんな話。村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない吃音症で、特にタ行とカ行と濁音を上手く発音することができない。でも村上先生は、傷を抱えた生徒達に寄り添って、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる...。
「ハンカチ」、「ひむりーる独唱」、「おまもり」、「青い鳥」、「静かな楽隊」、「拝啓ねずみ大王さま」、「進路は北へ」、「カッコウの卵」という8個の物語すべてに、この村上先生が登場する。話すことがが苦手な村上先生は、苦しむ生徒達にすることは、"そばにいること"と"ひとりぼっちじゃないと伝えること"と"先生は、ひとりぼっちの。子の。そばにいる、もう1人のひとりぼっちになりたいんだ。だから、先生は、先生をやってるんだ"と教えてあげる。そして、"間に合って"、生徒達は静かに再生していく。
それにしても、文中に出てきた"人を踏みにじって、苦しめるのがいじめ。 人を苦しめていることに気づかず、苦しくて叫んでいる声を聞こうとしないのがいじめ"という言葉は痛かった。苦しんで叫んでる声を拾えてるかな、俺。
それにしても、この小説は、ご自身も吃音だった重松清氏にしか書けないだろうな。これまたお勧めな1冊です。
cf. 重松清 読破 List
- 舞姫通信 (1995)
- 見張り塔からずっと (1995)
- ナイフ (1997)
- カカシの夏休み (2000)
- ビタミンF (2000)
- リビング (2000)
- 口笛吹いて (2001)
- 流星ワゴン (2002)
- きよしこ (2002)
- 熱球 (2002)
- 疾走 (2003)
- 卒業 (2004)
- いとしのヒナゴン (2004)
- みんなのなやみ (2004)
- その日のまえに (2005)
- きみの友だち (2005)
- 小学五年生(2007)
- カシオペアの丘で(2007)
- くちぶえ番長 (2007)
- 青い鳥 (2007)
- ブルーベリー (2008)
- みぞれ (2008)
- あの歌がきこえる (2009)
- 再会 (2009)
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