「蛇行する川のほとり/恩田陸」を読んだ
これまたずっと読み続けてる作家の恩田陸氏。世田谷中央図書館で借りて読んだ「蛇行する川のほとり」(集英社文庫)について。
こんな話。演劇祭の舞台に置く背景画を描くため、高校美術部の先輩"香澄"から、同じ先輩である"芳野"と一緒に、香澄の家での夏合宿に誘われた"毬子"。憧れの先輩達からのお誘いに有頂天になるがそれもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があり、何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく...。
これ、ジリジリとジメジメした夏の情景とか匂いとか強い光とかが浮かんできた話。その中でじっとりした過去の残酷な事件が浮かび上がってきて、日本っぽい暗い事実が伝わってきた。で、3つの章と終章から成り立ってて、それぞれの章でそれぞれの少女が主観的に話を進める。そのため、事件に関わるそれぞれ人物の心情と内面が伝わって、この不幸な事件があぶりだされていく。さすが、恩田さん!
というわけで、夏にピッタリなじとっとする話を楽しめた。これからも読んでいきたい作家さんだ。
cf.恩田陸 読破 List
- 光の帝国 常野物語 (1997)
- 月の裏側 (2000)
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- 蛇行する川のほとり (2004)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
- 蒲公英草紙 常野物語 (2005)
- エンド・ゲーム 常野物語 (2006)
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