「長崎オランダ村/村上龍」を読んだ
最近、全然読んでいなかった村上龍氏の作品。たまには読もうということで、桜新町のTsutayaで買って読んでみた「長崎オランダ村」(講談社文庫)について。
こんなあらすじ。高校生時代の後輩ナカムラに対する義理で、長崎での講演会を引きうけた小説家ケン。講演会が終わった夜、長崎ならでは食を楽しみながら、ケンは、ナカムラのイベント会社が請け負った長崎オランダ村ワールド・ミュージック・フェスティバルの騒動顛末を聞くことに...。
これ、佐世保市のテーマーパークであるあのハウステンボスのルーツとなり、すでに閉園している"長崎オランダ村"が舞台。しかも、あの愉快な小説「69 sixty nine」の続編になっている。「69 sixty nine」で忍び込んだ学校の校長の机の上でウンコをしたのが、このナカムラ君。そんな彼らが中年のおっさんになって、美味しいものをガツガツ食いながら、長崎オランダ村で行われた音楽Fes.に参加するためにつれてこられた様々な国の人々を通して、世界とは何か、文明とは何かをガツガツ語り合っている。気恥ずかしい関係を乗り越えて、文化論を語る感じが面白い。
それにしても、村上龍氏って、World Musicへの造詣は深いし、今でも啓蒙活動を続けていて、しかも愛情にあふれている。そんな気持ちが読むほうにも伝わってきて、なんとなくやさしい気持ちになれる。これからもたまに読み直していこう。
cf.村上龍 読破 List
- 限りなく透明に近いブルー (1976)
- コインロッカー・ベイビーズ (1980)
- 69 sixty nine (1987)
- 愛と幻想のファシズム (1987)
- 長崎オランダ村 (1992)
- 昭和歌謡大全集 (1994)
- 五分後の世界 (1994)
- ヒュウガ・ウイルス~五分後の世界II (1996)
- ストレンジ・デイズ (1997)
- イン ザ・ミソスープ (1997)
- 共生虫 (2000)
- 希望の国のエクソダス (2000)
- 2days 4girls (2002)
- 半島を出よ (2005)
- 空港にて (2005)
- 盾 Shield (2006)
- 美しい時間/小池真理子・村上龍 (2006)
追記:本日手に入れたCD/DVDは以下。おいおい書きます。
・ 言葉にならない、笑顔をみせてくれよ/くるり (2010/Album)
« 「Charlie's Angels:Full Throttle/チャーリーズ・エンジェル フルスロットル」を観た | Main | 「ROCK IN JAPAN FES.2010」(WOWOW)を観た »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「リバー/奥田英朗」を読んだ(2024.08.15)
- 「永遠と横道世之介/吉田修一」を読んだ(2024.07.31)
- 「キネマの神様」を観た(2024.07.22)
- 代官山通信 Vol.166(2024.07.19)
- 「お帰り キネマの神様/原田マハ」を読んだ(2024.07.18)
Comments