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Tuesday, October 05, 2010

「無理/奥田英朗」を読んだ

Hideookuda_muri 「オリンピックの身代金」を読んで、またまた好きになった奥田英朗氏。続いて世田谷中央図書館で借りて読んでみた「無理」(文藝春秋)について。
 こんなあらすじ。町村合併でできた人口12万人の寂れた地方都市"ゆめの"。古くからある商店街はさびれ放題で、国道沿いにできた商業施設ドリームタウンが唯一の盛り場になっている。この寂れたゆめのを舞台に様々な鬱屈とストレスを抱えた5人の人々がこの物語の主人公。働けるのに働かず生活保護を受ける人々の理不尽な対応に追われ、主婦売春に走る、社会福祉事務所で生活保護支給業務で働く"相原友則"。東京での大学生活を夢見て、予備校で受験勉強をがんばってる女子高生の"久保史恵"。漏電防止器を詐欺まがいのやりかたで老人達に売りつける元暴走族のセールスマン"加藤裕也"。スーパーで万引きをみつける保安員の仕事をくびになり、新興宗教に救いを求めるひとりものの主婦"堀部妙子"。そして、いつか県議会に出馬するつもりの二世の市議会議員"山本順一"。彼らが鬱屈のあまり暴走し、まさに"無理"な事態に陥っていく...。
 虐げられ、八方塞りの5人を描いた群像劇が、これ。この5人が陥っていく無理な様は、無理に無理が重なって、どんどん追い詰められていく。誰も助けられず、嘘の上塗りが進み、逃げようとすればするほど、泥沼にはまっていく。悲惨だけど、どこかユーモラスで、どんどん引き込まれていった。で、最後はある意味強引な幕引きだったけど、5人がひとつに集約していく様が最高に悲しくて、おかしい。まさに、あの「最悪」と「邪魔」の世界が帰ってきた感じ。
 やっぱ、面白いなぁ、奥田英朗氏は。そんなに多作な作家さんじゃないけど、1つ1つの小説の容赦なさと病的なまでの緻密さと、読み物としてLevelの高さに、あらてめて脱帽。ほんと、面白かった。

cf.奥田英朗 読破 List
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- マドンナ (2002)
- イン・ザ・プール (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
- オリンピックの身代金 (2008)
- 無理 (2009)

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