「朝日のようにさわやかに/恩田陸」を読んだ
これまたずっと読み続けてる作家のひとり、恩田陸氏。世田谷中央図書館で借りて読んだ「朝日のようにさわやかに」(新潮文庫)について。
これ、「水晶の夜、翡翠の朝」、「ご案内」、「あなたと夜と音楽と」、「冷凍みかん」、「赤い毬」、「深夜の食欲」、「いいわけ」、「一千一秒殺人事件」、「おはなしのつづき」、「邂逅について」、「淋しいお城」、「楽園を追われて」、「卒業」、「朝日のようにさわやかに」の14編が収められた短編集。HororとかMysteryとかShort Shortとか学園モノとか恩田氏のFantasyがそれぞれにつまってる感じ。
で、個人的によかったのは、「淋しいお城」と「卒業」。まずは、寂しい子供が"みどりおとこ"に捕まって、城に拉致される「寂しいお城」。まさにグリム童話のようなBlackな話。続いて、とある部屋に逃げ込んだ中学生が襲われる恐怖を描いたスプラッタホラーである「卒業」。特にこの「卒業」は、あっという間の短時間で血まみれの恐怖が押し寄せて、一気にひいていくという不思議な感覚のホラー小説。
というわけでこの短編集、全体的には想像力をくすぐられる印象。ただ個人的には、恩田陸氏の作品は、短編よりも長編のほうが好き。なんとなく、ジワジワと時間をかけてハマっていく恐怖のほうが、いいと思う。さ、次はどの恩田作品を読もうかな?
cf.恩田陸 読破 List
- 光の帝国 常野物語 (1997)
- 月の裏側 (2000)
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- 蛇行する川のほとり (2004)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
- 蒲公英草紙 常野物語 (2005)
- エンド・ゲーム 常野物語 (2006)
- 朝日のようにさわやかに (2007)
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