「B型陳情団/奥田英朗」読んだ
やっぱ面白くて、最近またまた読むようになった奥田英朗氏。世田谷中央図書館で借りて読んでみた氏の大昔のエッセイ「B型陳情団」(講談社)について。
これ、ここ数年、思いっきりハマッてる奥田英朗氏が、作家のなる前のバブル真っ最中の1986年から1989年ごろにモノマガに連載していたエッセイをまとめたもの。で、書いている内容は、世の中の様々な現象について、嘆いたり、怒ったり、その理由を勝手に妄想したり、アホをアホと言い切ったりしてる。事情通や仕掛け人や空間プロデューサー(あったなそんな職業!)をブッタ斬り、ペンション利用の心得とか(はい、昔お世話になりました!)、自由闊達をうたう会社ってほんとにあるのとかバカにし、実名入りで小柳ルミコ(お元気なんでしょうか...)やマラソンの松野明美を嫌いと言い切る。奥田氏も30歳ごろで、若気のいたりか、相当過激な書きっぷりになっている。それにしても、このバブルの時代っていうか、浮ついた空気感ほんと懐かしい。
で、今の奥田英朗氏の作品にもつながっていると思うんだけど、この氏独特のユーモアと、世間を斜めに眺めてる視線と、不条理なものに対する自分勝手な正義感と屁理屈がうれしくなった。今ではこの本は絶版なってるし、時代はずれなんで、再版されることはないと思う。ともかく、若かりし頃の奥田英朗氏の本が読めて、ちょっと幸せ。
cf.奥田英朗 読破 List
- B型陳情団 (1990)
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- マドンナ (2002)
- イン・ザ・プール (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
- オリンピックの身代金 (2008)
- 無理 (2009)
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