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Friday, November 12, 2010

「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。/辻村深月」を読んだ

Mizukitsujimura_zerohachizeronana たまに読んでる辻村深月氏。今回は、世田谷中央図書館で借りて読んだ「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」(講談社)について。
 こんなあらすじ。30歳という人生の岐路に立つかつて幼馴染だった2人の女性"みずほ"と"チエミ"。みずほは、都会でフリーライターとして活躍しながらそれなりに幸せな結婚生活を手に入れた。一方、チエミは、地元の地元企業で契約社員として働き、いまだに両親と共に暮らしていた。そんな中、チエミの母親が何者かに殺され、チエミは行方不明になっていた。みずほは、重要参考人になっているチエミを探すために、地元関係者を訪ねてまわっていた...。
 自分もそうだけど、小学校、中学、高校、大学、社会人となっていくにつれて、いつのまにか自分と同質な人々の中とつきあい、遊び、つるみ、暮らしていくもの。まさに時代とともに友達が変わっていくし、たぶんそのほうが楽だし...。そんな友達だった2人が、ある殺人事件を通して再び交わっていくのがこの話なんだけど、ともかく重い内容。嫉妬やComplexまみれで、地方と東京の間に歴然とした格差があって、しかも母親がいつまでたっても抱き続ける幻想に、子供が縛られているという社会の呪縛がThemeになっている。この呪縛って、母と娘だけじゃないと思うし、普通の親子なら十分ありえる話。親離れ、子離れってほんと難しい。いい距離感ってほんと難しい。"箱入り娘"という言葉の恐ろしさと狂気を知った1冊だった。

cf. 辻村深月 読破 List
- 冷たい校舎の時は止まる (2004)
- 凍りのくじら (2005)
- ぼくのメジャースプーン (2006)
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (2009)
- 光待つ場所へ (2010)

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