「世界でいちばん長い写真/誉田哲也」を読んだ
結構好きな誉田哲也氏。今回は、世田谷中央図書館で借りて読んだ「世界でいちばん長い写真」(光文社)について。
こんなあらすじ。中学3年生のノロブーこと内藤宏伸は、大の仲良しだった洋輔が転校したことで、すっかりしずんでいた。やりたいことも、話したい相手もみつからず、さえない日々。中学校の写真部に籍を置いてるけど、同級生で部長の三好奈々恵に厳しく作品提出を迫られるものの、撮りたいものもみつからない。そんなある日、宏伸は祖父の古道具屋で、1台の奇妙なカメラを見つける。それは、台座が1回転して、360度すべてを1枚の長い写真に撮れるという不思議なカメラだった...。
1台のカメラと出会うことで、撮りたいと思える風景や被写体、忘れたくない想い出を見つけようとするサエナイ中学生が主人公。ちょっとのんびりした主人公の少年も、少年の周りにいる古道具屋のお爺さんも、かっこいい従姉のお姉さんも、ハキハキした写真部の部長も、みんなキャラがたってて、感情移入がしやすい。しかも文章自体も読みやすいので、ほんと爽やか。"武士道シックスティーン"を読んだときもおもったけど、こんな小説も書ける誉田哲也氏って、ほんと振り幅が大きな作家さんだ。
ちなみにこの小説は、山本新一さんという方の作った360度パノラマカメラがモデルになっているとのこと。ほんとにこんな不思議な写真が取れるって、やっぱすごい。爽やかな秋晴れのような小説だった。
cf.誉田哲也 読破 List
- アクセス (2004)
- 春を嫌いになった理由 (2005)
- 疾風ガール (2005)
- ジウI 警視庁特殊犯捜査係 (2005)
- ストロベリーナイト (2006)
- ジウII 警視庁特殊急襲部隊 (2006)
- ジウIII 新世界秩序 (2006)
- 月光 (2006)
- ソウルケイジ (2007)
- 武士道シックスティーン (2007)
- 国境事変 (2007)
- シンメトリー (2008)
- ハング (2009)
- インビジブルレイン (2009)
- 世界でいちばん長い写真 (2010)
« 拉麺 岩男 #5 | Main | adito #4 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「リバー/奥田英朗」を読んだ(2024.08.15)
- 「永遠と横道世之介/吉田修一」を読んだ(2024.07.31)
- 「キネマの神様」を観た(2024.07.22)
- 代官山通信 Vol.166(2024.07.19)
- 「お帰り キネマの神様/原田マハ」を読んだ(2024.07.18)
Comments