「象工場のハッピーエンド/村上春樹・安西水丸」を読んだ
ユルメな本を読もうと思い、27年ほど前に読んだ村上春樹氏・安西水丸氏共著の「象工場のハッピーエンド」(新潮文庫)をもう一度...。
これ、2人がなんの連携も相談もしないで、絵と本がバラバラに書かれた一冊。安西水丸氏は、テーブルや机の上とか置いてありそうなモノをさりげなく描いて、あ、これこれ!って気分にさせてくれるんだけど、村上春樹氏の短編はほんとテーマがない。テーマがないから、突拍子もなくても、そうそう!って共感して読める。で、双子の話とか、カティーサークの話とか、クリスマスソングの話とか、いろいろ出てくる支離滅裂に出てくるけど、個人的に好きなのは、「マイ・スニーカー・ストーリー」という短編。もっともらしく、スニーカーがどうして生まれたかを書いてるけど、これ、完全に作り話。思わず、引き込まれて、乗せられて、最後に笑われたという気分。嘘っぱちな話って、まさに小説の醍醐味。これからもだまして、現実逃避もさせてくださいな。
cf.村上春樹 読破 List
- 風の歌を聴け (1979)
- 中国行きのスロウ・ボート (1980)
- カンガルー日和 (1981)
- 象工場のハッピーエンド/村上春樹・安西水丸 (1983)
- パン屋再襲撃 (1986)
- レキシントンの幽霊 (1986)
- ランゲルハンス島の午後/村上春樹・安西水丸 (1986)
- ノルウェイの森 (1987)
- TVピープル (1990)
- もし僕らのことばがウィスキーであったなら (1997)
- ふわふわ/村上春樹・安西水丸 (1998)
- Mr.and Mrs.Baby and Other Stories-犬の人生/Mark Strand-マーク・ストランド (1998)
- 神の子供たちはみな踊る (1999-2000)
- 海辺のカフカ (2002)
- アフターダーク (2004)
- 東京奇譚集 (2005)
- ふしぎな図書館/村上春樹・佐々木マキ (2005)
- 走ることについて語るときに僕の語ること (2007)
- 1Q84 a novel BOOK 1<4月-6月> (2009)
- 1Q84 a novel BOOK 2<7月-9月> (2009)
- 1Q84 a novel BOOK 3<10月-12月> (2010)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「リバー/奥田英朗」を読んだ(2024.08.15)
- 「永遠と横道世之介/吉田修一」を読んだ(2024.07.31)
- 「キネマの神様」を観た(2024.07.22)
- 代官山通信 Vol.166(2024.07.19)
- 「お帰り キネマの神様/原田マハ」を読んだ(2024.07.18)
Comments