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Tuesday, December 14, 2010

「ボトルネック/米澤穂信」を読んだ

Honobuyonezawa_bottleneck 二子玉川のBook1stで、"このミステリーがすごい! 2010年版"というオビに躍らせれて初めて読んでみた米澤穂信氏の「ボトルネック」(新潮文庫)について。
 こんな話。亡くなった恋人(?)"ノゾミ"を追悼するため東尋坊を訪れていた嵯峨野リョウは、何かに誘われるように断崖から墜落したはずだったが、気がつくと見慣れた金沢の街にいた。不可解な思いで自宅へ戻ったリョウを迎えたのは、見知らぬ姉という嵯峨野サキだった...。
 これ、ボトルネックというTitleからComputer系のSFみたいなイメージを持って読み出したけど、全然違ってて、青春なMystery小説だった。内容は主人公のリョウが紛れ込んだパラレルワールドであるもう1つの世界。いないはずの姉がいて、死んだはずの兄とノゾミは生きていて、お互い不信感だらけの両親は仲良く暮らし、切ってはいけないイチョウの木は切られていた。どう考えてもリョウのいた世界よりも、紛れこんだこっちの世界のほうがみんなが幸せで、自分がいないほうがいいと思い込んでしまう。
 で、この本の面白さは、自分がいる世界で自分という人間が役になってて、影響力を持って生活しているかということ。まさに少年が悩んで成長していく様を描いている。素直に面白かったと思います。

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