「『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために ポスタル・ノベル編」を読んだ
先日読んだ伊坂幸太郎氏の「バイバイ、ブラックバード」。この本の関連本「『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために ポスタル・ノベル編」も世田谷図書館での予約がやっと回ってきた。速攻読んでみた。
これ、「バイバイ、ブラックバード」は、未完で終わってしまった太宰治氏の「グッド・バイ」からInspireされた作品。「グッド・バイ」は10人股をかけてた男が美人の女性を使って、つきあっていた女性たちに別れを伝えるというもの。この部分のアイデアをうまく使って、「バイバイ、ブラックバード」は作られた。しかもこの伊坂氏の小説は、5話ある短編小説のうち、ある限られた人に対して1話づつが郵便で届けられるというもので、それが最後に6話目として"繭美"の話が加わって、1冊の本として出版されてた。そんな、なぜこの短編小説を書こうと思ったのかとか、伊坂幸太郎氏の思いや創作秘話が、この「『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために ポスタル・ノベル編」の中でインタビューとして載っている。しかも、最後がよくわからないことを謝罪したり、「あのバス」についてとかにも触れていて、まさに裏話集という感じだ。
また、この副読本に太宰治氏の「グッド・バイ」が収録されているけど、これもなかなか面白い。太宰氏って、どうも玉川上水で入水自殺とか「人間失格」といった厭世的なイメージを持っていたけど、これは全然違う。ほんと先が気になる作品で、未完で絶筆となったのが本当に残念だと思う。
ま、伊坂幸太郎ファンとして、借りて読むにはいい感じの本だった。
cf.伊坂幸太郎 読破 List
- オーデュボンの祈り (2000/2003)
- ラッシュライフ (2002/2005)
- 陽気なギャングが地球を回す (2003/2006)
- 重力ピエロ (2003/2006)
- アヒルと鴨のコインロッカー (2003/2006)
- チルドレン (2004/2007)
- グラスホッパー (2004/2007)
- 死神の精度 (2005/2008)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- 魔王 (2005)
- 魔王(文庫) (2008)
- 砂漠 (2005/2008)
- 終末のフール (2006)
- 陽気なギャングの日常と襲撃 (2006)
- フィッシュストーリー (2007)
- 絆のはなし/伊坂幸太郎x斉藤和義 (2007)
- ゴールデンスランバー (2007)
- 実験4号 -後藤を待ちながら (2008)
- Re-born はじまりの一歩/伊坂幸太郎・瀬尾まいこ・豊島ミホ・中島京子・平山瑞穂・福田栄一・宮下奈都 (2008)
- モダンタイムス (2008)
- あるキング (2009)
- SOSの猿 (2009)
- オー!ファーザー (2010)
- バイバイ、ブラックバード (2010)
- 『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために ポスタル・ノベル編 (2010)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「当確師/真山仁」を読んだ(2024.11.29)
- 代官山通信 Vol.168(2024.11.27)
- 「Joker:Folie a Deux/ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」パンフレットを読んだ(2024.11.21)
- 「プリンス/真山仁」を読んだ(2024.11.09)
- 「しんがりで寝ています/三浦しをん」を読んだ(2024.11.02)
Comments