「バイバイ、ブラックバード/伊坂幸太郎」を読んだ
世田谷中央図書館に7月末に予約した伊坂幸太郎氏の「バイバイ、ブラックバード」(双葉社)。やっと順番が回ってきて、読むことができたので、書いてみる。
こんなあらすじ。金銭的な問題である人物の怒りを買って、"あのバス"に乗せられることになった星野一彦。生きて帰れることはなさそうなので、監視役の180cm、180kgの女"繭美"と一緒に、付き合っている5人の女性を別れの挨拶をしにいく。そんな物語。
これ、理不尽な悲しい別れなんだけど、無理やり笑ってバイバイするという話とのこと。で、この主人公 星野は5股という史上最低の男にみえるんだけど、とても爽やか。成り行きで生きてるものの、自分の気持ちに正直で、人に誠実で一生懸命な星野というキャラの完全勝利という感じ。そして、繭美の異様な存在感。あのマツコを想起させる暴力的で暴走列車のようなキャラが凄い。歯に衣着せぬ、物事のど真ん中をストレートについた物腰も爽快。さらには、伊坂氏の語彙力の豊富さ。まさか、"白新高校の不知火"とか、"名刺を切らしてます"とか、思わずニヤリとさせていただく。
それにしても、"あのバス"がどういうものかもわからず、なぜ"あのバス"に乗ることになってしまったのかもわからず、Lastもあやふやで消化不良。だけどともかく爽やか。ちなみに、「『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために」も世田谷中央図書館に予約中。この本も読めば、なにかがわかるのだろうか? 早く順番が来て欲しいと思う今日この頃。
cf.伊坂幸太郎 読破 List
- オーデュボンの祈り (2000/2003)
- ラッシュライフ (2002/2005)
- 陽気なギャングが地球を回す (2003/2006)
- 重力ピエロ (2003/2006)
- アヒルと鴨のコインロッカー (2003/2006)
- チルドレン (2004/2007)
- グラスホッパー (2004/2007)
- 死神の精度 (2005/2008)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- 魔王 (2005)
- 魔王(文庫) (2008)
- 砂漠 (2005/2008)
- 終末のフール (2006)
- 陽気なギャングの日常と襲撃 (2006)
- フィッシュストーリー (2007)
- 絆のはなし/伊坂幸太郎x斉藤和義 (2007)
- ゴールデンスランバー (2007)
- 実験4号 -後藤を待ちながら (2008)
- Re-born はじまりの一歩/伊坂幸太郎・瀬尾まいこ・豊島ミホ・中島京子・平山瑞穂・福田栄一・宮下奈都 (2008)
- モダンタイムス (2008)
- あるキング (2009)
- SOSの猿 (2009)
- オー!ファーザー (2010)
- バイバイ、ブラックバード (2010)
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