「木漏れ日に泳ぐ魚/恩田陸」を読んだ
なんとなくずっと読み続けてる作家のひとり、恩田陸氏。世田谷中央図書館で借りて読んだ「木漏れ日に泳ぐ魚」(文春文庫)について。
こんなあらすじ。舞台は、とあるアパートの一室。朝を迎えるまで、別れの前の最後の時間を過す一組の男女。最初は過去を懐かしみながら、お酒を飲みつつ、夜を徹して語り合ってるうちに、子供の頃の思い出、木々の匂いとか、部屋にあった大きな柱時計とか、2人が共有しているはずの過去や風景に違和感が出てくることに気づく...。
これ、2人の会話のみで進んでいる。まるで密室の2人芝居を観ているかのように、お互いの腹を探り合う心理戦みたいな、変な緊張感がジワジワと出てくる。猜疑心と葛藤を抱えながら、朝までという短そうで長い時間をひっぱってくれる。さすが、恩田陸氏の描く心理描写は繊細だ。Lastまで、恩田氏の巧さがひかった小品。
cf.恩田陸 読破 List
- 光の帝国 常野物語 (1997)
- 月の裏側 (2000)
- ネバーランド (2000)
- puzzle(パズル) (2000)
- ライオンハート (2000)
- ドミノ (2001)
- 図書館の海 (2002)
- ねじの回転-February Moment (2002)
- 蛇行する川のほとり (2004)
- Q&A (2004)
- 夜のピクニック (2004)
- ユージニア (2005)
- 蒲公英草紙 常野物語 (2005)
- エンド・ゲーム 常野物語 (2006)
- 朝日のようにさわやかに (2007)
- 木漏れ日に泳ぐ魚 (2007)
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