「ねむり/村上春樹」を読んだ
世田谷中央図書館で借りて読んでみた村上春樹氏の改稿版「ねむり」(新潮社)について。
これ、1989年に書かれ、短編集「TVピープル」に収録された「眠り」をVersion Upし、若干タイトルが「眠り」から「ねむり」に変わって21年ぶりに発刊されたもの。
で、内容は、いきなり不眠症になった妻がもうひとつ夜の世界をだんだんと楽しみだし、今の日常の世界に疑問を持ち出すというもの。眠れなくなって17日が経ち、妻は自分の世界が広がったと開き直り、もうひとつの世界でも生活を始める...。
夫や子どが寝静まってから、妻は昔のように本を読んで、昔のようにチョコレートを食べ、飲んでいなかったブランデーを飲み出し、自分の車で出かけてみて、夫と子どもの寝顔をじっと見る。これがもうひとつの世界。いままでの世界では、掃除をして、プールにも行き、食事を作り、夫との関係を続けている。不眠に陥った不思議で不条理な世界を見事に描いてる。で、この小説には、ドイツのイラストレイターであるMenschik Katの単色なイラストも、この不思議な世界に拍車をかけていると思う。
というわけで、たまに読みなおしてる村上春樹氏。これからも、たまに振り返ろう。
cf.村上春樹 読破 List
- 風の歌を聴け (1979)
- 中国行きのスロウ・ボート (1980)
- カンガルー日和 (1981)
- 象工場のハッピーエンド/村上春樹・安西水丸 (1983)
- 回転木馬のデッド・ヒート (1985)
- パン屋再襲撃 (1986)
- レキシントンの幽霊 (1986)
- ランゲルハンス島の午後/村上春樹・安西水丸 (1986)
- ノルウェイの森 (1987)
- TVピープル (1990)
- もし僕らのことばがウィスキーであったなら (1997)
- ふわふわ/村上春樹・安西水丸 (1998)
- Mr.and Mrs.Baby and Other Stories-犬の人生/Mark Strand-マーク・ストランド (1998)
- 神の子供たちはみな踊る (1999-2000)
- 海辺のカフカ (2002)
- アフターダーク (2004)
- 東京奇譚集 (2005)
- ふしぎな図書館/村上春樹・佐々木マキ (2005)
- 走ることについて語るときに僕の語ること (2007)
- 1Q84 a novel BOOK 1<4月-6月> (2009)
- 1Q84 a novel BOOK 2<7月-9月> (2009)
- 1Q84 a novel BOOK 3<10月-12月> (2010)
- ねむり (2010)
追記:
今日もなんとなく5時ごろには目覚めてしまった。まずは、天気を調べ、雨が降るかもしれないので、チャリ通勤は断念。続いて、東京電力のホームページを見て、今日の計画停電を調べる。世田谷区は第4グループなので、9:20までに出社しないといけない。で、東急とJRの運行状況を調べ、とりあえず、電車の運行状況を確認する。とりあえず、行けそうだ。そんな中、また、緊急地震速報で長野で地震発生とテレビが伝えてきた...。緊張は続く。
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