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Thursday, April 07, 2011

「村上春樹 雑文集/村上春樹」を読んだ

Harukimurakami_zatsubunshu デビューの1979年から2010年までの村上春樹氏が残した膨大の文章の中からの69篇が収録された「村上春樹 雑文集」(新潮社)。これも世田谷中央図書館での予約が回ってきたので、早速読んでみた。
 これ、ほんとにいろんな文章が収録されてる。なにかの賞を受賞したときの言葉、中国語などいろんな国の言葉に翻訳された氏の作品に寄せられた言葉、ジャズについての言葉、ジム・モリソンについての言葉、友達についての言葉、オウム事件に関しての言葉、安西水丸氏の娘さんの結婚式に村上さんが寄せたお祝いの言葉など、いい意味でのいろんな雑文が寄せられてる。これらを読んで思ったんだけど、ともかく論理的で、言葉をたくさん知っていて、でもどこかグサっと言い切って(でも嫌味はなくて)、結構熱くなってて、ちょっとひねくれてる。で、なんか考察力と洞察力と、ある種の鈍感力を持ってる人ということを改めて実感した。
 で、個人的によかったのはエルサレム賞のスピーチ「壁と卵」。ガザ騒乱に対するイスラエル政府への批判が高まる中、村上さんはイスラエル政府の招待を受け、政府からの賞を受賞したんだけど、この受賞スピーチがとてもよかった。どのような戦争も認めず、どのような政府も認めず、本屋で自分の本がボイコットされることを求めないと言い切った村上さんは潔い。「なぜなら小説家というものは、どれほどの逆風が吹いたとしても、自分の目で実際に見た物事や、自分の手で実際に触った物事しか心からは信用できない種族だからです」というメッセージは、ほんとに力強い。
 まだまだ、少しずつ、小説家を続け、趣味で翻訳家を続けるという村上さん。これからも楽しませてください。

cf.村上春樹 読破 List
- 風の歌を聴け (1979)
- 中国行きのスロウ・ボート (1980)
- カンガルー日和 (1981)
- 象工場のハッピーエンド/村上春樹・安西水丸 (1983)
- 回転木馬のデッド・ヒート (1985)
- パン屋再襲撃 (1986)
- レキシントンの幽霊 (1986)
- ランゲルハンス島の午後/村上春樹・安西水丸 (1986)
- ノルウェイの森 (1987)
- TVピープル (1990)
- もし僕らのことばがウィスキーであったなら (1997)
- ふわふわ/村上春樹・安西水丸 (1998)
- Mr.and Mrs.Baby and Other Stories-犬の人生/Mark Strand-マーク・ストランド (1998)
- 神の子供たちはみな踊る (1999-2000)
- 海辺のカフカ (2002)
- アフターダーク (2004)
- 東京奇譚集 (2005)
- ふしぎな図書館/村上春樹・佐々木マキ (2005)
- 走ることについて語るときに僕の語ること (2007)
- 1Q84 a novel BOOK 1<4月-6月> (2009)
- 1Q84 a novel BOOK 2<7月-9月> (2009)
- 1Q84 a novel BOOK 3<10月-12月> (2010)
- ねむり (2010)
- 村上春樹 雑文集 (2011)

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