「静かな爆弾/吉田修一」を読んだ
最近ご無沙汰の吉田修一氏の作品。なんとなく世田谷中央図書館で借りて、ベルリン出張でイッキに読んだ「静かな爆弾」(中公文庫)について。
こんな話。テレビ局に勤める"早川俊平"はある日公園で、耳の不自由な女性"響子"と出会った。音のない世界で暮らす彼女に、惹かれていく俊平だったが、彼女の住む静かな世界と自分の住む世界とのギャップに、揺さぶられていく...。
なによりも仕事を優先し、それでも自分はなんでも知ってるから大丈夫という傲慢さとともに生きている主人公。そんな彼に、無関心と無知という"静かな爆弾"が落とされた。苦しみを理解できないかもしれないし、何もできないかもしれないけど、そばにいてほしいと伝えたのに、忙しさにかまけて、手からこぼれてしまう思いが描かれてて、なんとなく同感できた。後回しって、いっつも後悔につながることを、教えてくれた小説。さ、次は「悪人」を読もう。
cf.吉田修一 読破 List
- パーク・ライフ (2002)
- ランドマーク (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- 静かな爆弾 (2006)
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