「悪人/吉田修一」を読んだ
ちょっと前に「静かな爆弾」を読んで、その良さを再認識した吉田修一氏。で、ずいぶん前に予約して、やっと世田谷中央図書館で借りることができた「悪人」(朝日新聞出版)について。
こんなあらすじ。土木作業員・清水祐一は、携帯の出会い系サイトで知り合った保険外交員女性・石橋佳乃を殺害した。そして、祐一は、別の女性・馬込光代とともに、逃避行に及ぶ。事件の当初、佳乃殺害の容疑者は、裕福な大学生・増尾圭吾だったが、拘束された増尾の供述と、新たな証言により、容疑者は祐一に絞られていく...。
これ、祐一や佳乃をめぐる様々な関係者をどんどん掘っていくことで、一つの事件に潜む感情のもつれと純愛劇が描き込まれた作品。祐一を育てた祖父母、祐一を捨てた母、祐一の親代わりとなった土木業の社長、殺された佳乃の両親、殺された佳乃の会社の同僚、容疑者に上がった圭吾の親友、光代の双子の妹...。彼らが語り、動き、彼らの生活を描き切ることで、なぜ事件が起きてしまったかがジワジワと伝わり、逃避行の末にお互いなにを見い出したかが、わかってくる。そして、この小説はLastが凄い。最後の章での祐一の発言と光代の発言があまりに痛々しいし、信じられない。
というわけで、5/26-27と行った長野出張のあずさの中でほとんどイッキに読めてしまった長編小説。いつか興が乗じれば、映画版も観てみたいと思う。面白かった。
cf.吉田修一 読破 List
- パーク・ライフ (2002)
- ランドマーク (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- 静かな爆弾 (2006)
- 悪人 (2007)
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