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Monday, July 11, 2011

「白夜行/東野圭吾」を読んだ

Keigohigashino_byakuyakou ほぼ1年弱ぶりに東野圭吾氏の本を。三茶のTsutayaで買って、読んでみたベストセラー「白夜行」(集英社文庫)について。
 こんな話。1973年大阪で起きた質屋殺し。何人もの容疑者が捜査線上に浮かぶが、決定的な証拠がないまま、最後に被害者と会った女性がガス中毒死して、事件は迷宮入りしてしまう。当時小学生だった被害者の息子"桐原亮司"と容疑者の娘"西本雪穂"は成長し、その後別々の人生を歩んでいくかに見えた。しかし、2人の周囲には不可解な凶悪犯罪が次々と起きる...。
 これ、事件が起きた1973年から、その後にいたる1992年までの19年の年月を、2人に絡む多くの人物からの視点や、伏線を用いて描いていく長編小説。あまりに多くの伏線が張り巡らされていて、それがひょんなときにひっかっかって、それを元刑事"笹垣潤三"が大阪府警捜査一課を退いた後までも、追い続けていくというもの。どれが偶然で、どれが必然なのかが、絶妙のバランスで混ざっている。
 で、この小説の凄さは、2人の主人公である"桐原亮司"と"西本雪穂"の心理や内面がまったく読めないこと。2人の心理描写が描かれていないために、凄惨な事件が起きても、どこか静けさが伝わってくる感じ。これが、叙事詩的スケールということなんだろう。
 全13章から成る総854ページの長編小説。読み終わった後も、雪穂と亮司のその後の物語を考えてしまう。いつか、「幻夜」も読んでみたい。というわけで、週末から「プラチナデータ」を読み出した。ひさびさに東野ワールドを堪能中。

cf.東野圭吾 読破 List
- ブルータスの心臓 (1989)
- 美しき凶器 (1992)
- パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
- 秘密 (1998)
- 白夜行 (1999)
- 予知夢 (2000)
- レイクサイド (2002)
- 時生 (2002)
- さまよう刃 (2004)
- 容疑者Xの献身 (2005)
- 赤い指 (2006)
- 流星の絆 (2008)

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Comments

幻夜、うちにありますよ~。週末持っていきますか?

Posted by: Jimakei | Tuesday, July 12, 2011 19:38

>Jimakeiさん
うわ!ぜひぜひ貸してくださいませ!

Posted by: emam | Tuesday, July 12, 2011 20:39

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