「Musicman/桑田佳祐」を聴いた
復帰した桑田佳祐氏の9年ぶりのOriginal Solo Album「Musicman」(2011/Album)。2月にReleaseされてからずいぶん経った。あらためてじっくり書いてみる。
まずはCDから。
M-01「現代人諸君(イマジン オール ザ ピープル)!!」。70年代初期っぽい裏打ちのSkaなRhythmがかっこいい。♪この地球(ほし)の未来には 今さらLove & Peaceはない でも声を密め夢見て みんな日の出を待っている!!♪。イマイチな世の中にささやかな希望を歌ってる。M-02「ベガ」。甘めのAOR。M-03「いいひと ~Do you wanna be loved?~」。80'sなRock Tune。そんなハデ目なMelodyに♪あっち向いて"いい顔" こっち向いてニコッ!! アンタは本当に"いいひと"さ♪と、八方美人な政治家を憂いてる。人のことは言えない。M-04「SO WHAT?」。ドロドロしたDrumsのBeatがいい。あの名曲「MICO」っぽい印象。M-05「古の風吹く杜」。古都鎌倉を歌った鉄板のご当地Song。原由子氏も当然参加という感じ。M-06「恋の大泥棒」。Blue Eyed Soulで"007"のような大袈裟でド派手な曲。ChorusもBlassも多めで、気持ちいい。それにしても、WOWOWの特番で観た桑田さんらしいダンサーとオーケストラを使いまくったToo Muchな感じのこの「恋の大泥棒」はすごくよかった。M-07「銀河の星屑」。Violinの音色が印象的で、Dexys Midnight RunnersのようなFolkyなMelody。で、歌詞は完全に死後の世界を歌ってる。♪哀れみの献花(はな) そんなモノはまだ僕は欲しくない 払い終わらぬ借金(ローン) エトセトラ... まだ人生にゃ未練がいっぱい♪。手術前に書かれたものとは思えない。個人的にこのAlbumでのBest Track。M-08「グッバイ・ワルツ」。シャンソンっぽい重めの昭和Melody。♪暗闇が目の前に迫り来る 生きる葉寂しさを知るためか 涙こらえて口笛吹けば 星が瞬く空の下♪。病気発覚後に、書かれた歌詞が痛々しい。M-09「君にサヨナラを」。大人の哀愁と叙情あるれる優しいNumber。M-10「OSAKA LADY BLUES ~大阪レディ・ブルース~」。大阪のDeepな世界と深い人情味を歌った曲。M-11「EARLY IN THE MORNING ~旅立ちの朝~」。めざましTVとかCMとかでガンガンかかってた時は、この手の濃厚DigitalなBeat Popに隠されたエロさにあんまり気づかなかった。で、聴けば聴くほど、しょーもないエロさが最高にかっこいい。まさに桑田さんの真骨頂。M-12「傷だらけの天使」。黒っぽいSoul Number。♪Let's try again. 明日はどうにかなるさ♪。病気とか震災とかがあっての死生観みたいにつながってる。M-13「本当は怖い愛とロマンス」。これは、突然女性に捨てられた男の嘆きSong。とっても軽快なRhythmで、明るくPopなMelody Lineに、悲惨な歌詞。♪今まで何をしたって 許してくれたじゃない♪、♪おいしい食事も奢った(さした)じゃない♪...こんなめめしい歌詞が載ってる。うーん、わかる。M-14「それ行けベイビー!!」。去年12月31日、第61回NHK紅白歌合戦に出演し、この曲が歌われた。♪命をありがとネ いろいろあるけどネ♪。鳥肌がたった曲。そして、♪適当に手を抜いて行こうな ボチボチ好きなようにやんな♪。これ、自分の子供たちに伝えたかったとのこと。改めて名曲だ。M-15「狂った女」。ともかくGuitarリフがかっこいいHard Rock Number。M-16「悲しみよこんにちは」。Ukuleleの音色が気持ちいい曲。M-17「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」。♪現在(いま)がどんなにやるせなくても 明日は今日より素晴らしい♪。乗り越えたからこそ歌えた曲だと思う。
続いてDVDの"MUSICMAN'S STORY (Document,Interview & Music Video)"について。
これ、M-01「君にサヨナラを」、M-02「それ行けベイビー!!」、M-03「本当は怖い愛とロマンス」、M-04「本当は怖い愛とロマンス (CG Version)」、M-05「銀河の星屑」、M-06「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」のMusic Videoとそれにまつわる製作秘話を桑田さんがインタビュー形式で応えるというもの。加えて、病気や手術の件、そしてAlbumのRecording風景がDocumentary風に撮られている。ま、Music Video自体は何度も観ているので新鮮味はないものの、真摯に語ってるシーンがいい。ほんと様々なMusicianとの強力なコラボで作られたAlbumであることを再認識。桑田さんの感謝の言葉にほっとする。
で、最後にBOOKの"MUSICMAN'S NOTE"を。
今回の病気の件含め、このAlbumに対する思いを桑田さんが語ってるインタビューや、このAlbumに収録された一曲一曲について、桑田さん自身よって丁寧に解説されたLiner Notesなど、読み応え十分な文章量。特にAlbumを聴きながらLiner Notesを読むと、新しい発見があった。
こんな感じで、たっぷり堪能したAlbum「Musicman」の世界。それにしても、9月に宮城県仙台市で行われる「宮城ライブ~明日へのマーチ!!~」は見事に落選。復帰後初Liveだし、東日本大震災の被害を受け、遺体安置にも利用されたアリーナ会場ということで、鎮魂の意味も込められたLive。ほんとに行きたかった...。
● Musicman/桑田佳祐 (2011/Album)
M-01. 現代人諸君(イマジン オール ザ ピープル)!!
M-02. ベガ
M-03. いいひと ~Do you wanna be loved?~
M-04. SO WHAT?
M-05. 古の風吹く杜
M-06. 恋の大泥棒
M-07. 銀河の星屑
M-08. グッバイ・ワルツ
M-09. 君にサヨナラを
M-10. OSAKA LADY BLUES ~大阪レディ・ブルース~
M-11. EARLY IN THE MORNING ~旅立ちの朝~
M-12. 傷だらけの天使
M-13. 本当は怖い愛とロマンス
M-14. それ行けベイビー!!
M-15. 狂った女
M-16. 悲しみよこんにちは
M-17. 月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)
○ DVD "MUSICMAN'S STORY (Document,Interview & Music Video)"
M-01. 君にサヨナラを
M-02. それ行けベイビー!!
M-03. 本当は怖い愛とロマンス
M-04. 本当は怖い愛とロマンス (CG Version)
M-05. 銀河の星屑
M-06. 月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)
○ BOOK "MUSICMAN'S NOTE"
* All Tracks Recorded and Mixed by Yoshitaka Nakayama.
* English Lyrics Supported by Y.Yamamoto.
* Recorded and Mixed at Victor Studio 401st & Keko Ni Koban Studio.
* Mastered by Ted Jensen at Sterling Sound.
* VIZL-560 Taishita,Amuse,Speedstar 2010 Victor Entertainment,Inc.
cf. 桑田佳祐 My CD/DVD List
- 明日晴れるかな (2007/CDS)
- 風の詩を聴かせて (2007/CDS)
- ダーリン (2007/CDS)
- 君にサヨナラを (2009/CDS)
- 本当は怖い愛とロマンス (2010/CDS)
- Musicman (2011/Album)
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